犬のニキビダニ症の症状
カテゴリー:犬のニキビダニ症
更新日 2020年02月28日
犬のニキビダニ症の症状
ニキビダニ症はニキビダニと呼ばれる体長0.2ミリから0.3ミリの毛包に住むダニが引き起こす皮膚疾患です。まず、初期症状では数センチの円形脱毛が見られたり、皮膚がボロボロ落ちてきたりします。この時点では痒みや痛みは無いかもしくは、少ないことが多いです。進行してくると毛包がダメージを受けて、部分的に脱毛していきます。やがてニキビのような膿胞が現れ、皮膚がただれていき、そのまま放置すると、脱毛部位は頭から首、足から肩や胴などに向かって広がってしまいます。さらに弱った皮膚に真菌や細菌が感染し、痛みや痒みや悪臭を伴います。全身に重度の感染を起こすと痩せてきたり、手足がむくむ浮腫を起こしたり、貧血などの症状を示すこともあります。
犬のニキビダニ症の原因
ニキビダニ症は、犬の毛根を包んでいる毛包という部位に、体長0.2ミリ~0.3ミリのニキビダニが何らかの原因で異常増殖したため起こってしまうものです。「アカルス」「毛包虫症」という名前でも呼ばれることがあります。その原因は遺伝的要因や免疫不全、ストレス、年齢、栄養状態、体内におけるホルモンの異常など様々なものが考えられており、いまだに全部は解明されていません。
感染は一般的に、生後2カ月~10カ月齢の幼犬に発生することが多いとされています。
まれに成犬にもこの症状がみられる場合がありますが、アトピー性皮膚炎、甲状腺機能低下症、糖尿病などの基礎疾患が発症と関係しているようです。
発症しやすい犬種としてシベリアンハスキー、柴犬、パグ、ダックスフント、シェトランドシープドッグなどが報告されています。
なお、ニキビダニは宿主の好みが強く、犬のニキビダニ(Demodex canis)は人には感染することはないとされています。人に感染するのは人のニキビダニです。
犬のニキビダニ症の予防/治療法
ニキビダニ症は若い犬では成長し免疫機能がしっかり備わってくるにつれて自然治癒することも多いですが、局所感染でもかゆみや炎症が酷い場合や全身に広がったものは治療することが必要です。治療方法としては殺ダニ剤の定期投与、薬浴、抗生剤の投与などがあり、それらの治療を根気強く続けていくことが必要です。
ニキビダニ症の原因には遺伝的なものもありますが、体力や免疫力の低下も原因となります。そのため、子犬期からの十分な栄養管理と健康維持に努めることが、この病気を予防する上で大切なことになります。また、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などのホルモンの病気でもニキビダニ症にかかりやすくなるので、血液検査などを行い併発していないか調べましょう。もし併発している病気があったら、ダニの駆虫と併せてそちらの治療をすることも必要です。