犬の犬パルボウイルス感染症の症状

更新日 2020年02月28日

犬の犬パルボウイルス感染症の症状

犬パルボウイルス感染症を発症すると激しい嘔吐や下痢が起こります。ひどい場合には、ウイルスの増殖により破壊された腸管粘膜から腸内細菌が侵入し敗血症を起こし死亡します。心臓にもウイルスは感染するため、心筋炎を起こし突然死することもあります。

犬パルボウイルスは4~6日間の潜伏期間後に発症します。ウイルスは最初、喉頭リンパ節などで複製され、ウイルスが血液に侵入し全身へと移動するウイルス血症を引き起こします。

生後2~3カ月以降の犬の感染では、骨髄や免疫を担うリンパ組織、腸管の粘膜が標的となるので血液の白血球という細胞が減ったり、下痢を起こします。

新生仔期には心筋細胞、新生仔期以降には腸絨毛細胞や骨髄細胞などでウイルスが増殖し、細胞を破壊してしまいます。心筋細胞が破壊されてしまうと心筋炎を起こし、心不全により突然死します。また、腸炎型では腸絨毛細胞が破壊されることで正常な腸粘膜が形成できず、下痢や特徴的な水様性粘血便が起こります。骨髄細胞の破壊では、白血球を作り出す骨髄が壊されることで白血球の数が激減し、腸内細菌の日和見的な感染を防ぐことができず、細菌感染症が全身に広まる敗血症に至り多臓器不全を生じたのち死亡します。

犬の犬パルボウイルス感染症の原因

犬パルボウイルス感染症は犬科の動物同士により感染する病気です。ウイルス性で原因としてはウイルスに感染した犬の排泄物や嘔吐物からの接触感染や人を通して感染してしまう間接感染もあります。

症状は心筋炎型と腸炎型とあり心筋炎型は症状が急激に現れ、吐き気や下痢・食欲不振になり症状が悪化すると急死してしまう事もあり飼い主が感染に気が付かない場合もます。腸炎型は感染後排泄物の色が変化し徐々に下痢状態になり症状が悪化すると血便になります。どちらも嘔吐や下痢状態が続きますので脱水状態に陥ります。免疫力が低下すると他の感染ウイルスも引き起こす可能性があるので命を落とす事も多い病気です。

犬パルボウイルス感染症の治療は見つかっておらず腸内細菌による二次感染予防の抗生物質の投与や脱水症状を改善させる為に水分補給などの治療が用いられています。

犬の犬パルボウイルス感染症の予防/治療法

犬パルボウイルス感染症は、これに対する特効薬がないために、感染した場合は症状を緩和する支持療法処置を行います。この病気にかかっている場合、脱水を是正するための輸液療法、腸内細菌による二次感染を防ぐための抗菌薬の投与、保温・安静といった治療を行います。嘔吐が止まるまでは絶食・絶水しなければならないので点滴で必要な水分を全て補給します。

犬パルボウイルス感染症を予防するための、最も効果的な方法はワクチン接種を行うことです。生後6~9週齢から開始し、3週間間隔で3回接種します。生まれた年最後のワクチンは12~14週齢に行います。それから1年後前後に追加接種し、以降は犬の生活環境などを考慮して追加接種していきます。
また、このウイルスは非常に強く、通常のアルコール消毒などでは殺せないため、既に感染した犬の糞をなめたり、触ったりしないように気を付けることが重要です。病気の犬に使用しているトイレシートは、使用直後に廃棄処分します。

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