犬のイヌヘルペス感染症の症状

更新日 2020年02月28日

犬のイヌヘルペス感染症の症状

イヌヘルペス感染症は成犬では軽い鼻炎のような症状ですが、生後間もない2~3週間の子犬に感染すると、腎臓や肝臓、肺などの臓器を壊死させてしまう急性の病気です。
潜伏期間は1週間ほどで、食欲が低下するため母乳をあまり飲まなくなり、黄緑色や緑色の下痢をします。呼吸にも変化が見られ、苦しそうな息呼吸になり、肺炎に似た症状も出ます。時には、吐き気やよだれも頻繁になったり、嘔吐するケースもあります。

末期では水のような下痢となってしまい、母乳を全く飲まなくなります。母乳を飲めないため、運動もほとんどすることがなく、神経症状も現れてきます。最後には異常な奇声を発して、発症後3~7日で急死します。

死亡してから感染の確認がとれることもあり、同腹犬の1頭が発症した場合でもほかの同腹犬も感染しているとみて隔離を行い保温を行います。助かった場合にも、失明や難聴、脳障害などの後遺症が残ることが多い疾患です。

犬のイヌヘルペス感染症の原因

イヌヘルペス感染症は、イヌヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症です。

イヌヘルペスウイルスは、世界中で見られるウイルスで特に珍しい物ではありません。イヌだけでは無くて、オオカミやコヨーテ等の、イヌ科の動物全般に感染するのが特徴です。

イヌヘルペス感染症にかかりやすいのは、まだ免疫力があまり無い子犬ですので注意が必要でしょう。時には致命的なダメージを与える事にもなります。原因としては、まだ、体温調節や、機能が不十分な場合、対応が出来ません。

感染経路は母犬の胎内に居る時、胎盤から感染するケースもあると言われており、他にも生まれる時の産道で、感染するとも考えられています。

犬のイヌヘルペス感染症の予防/治療法

ワクチンは日本では発売されていません。ヨーロッパでは妊娠犬に対するワクチンが市販されています。治療は対症療法が中心となります。二次感染を防ぐため抗菌薬の投与を行ったり、脱水がある場合には輸液を行います。体温を38.6度から39.4度に保つことで犬ヘルペスウイルスの増殖が抑えられたという報告があることから、保温器などを使用し体温を高く保つことが有効かもしれません。発症した子犬の死亡率はほぼ100%となっているので、感染させないようにすることがもっとも重要です。感染犬は隔離し身の回りの環境を清潔に保ち、他の犬に感染しないように心がけましょう。

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