愛犬の「免疫介在性溶血性貧血(IMHA)」ってどんな病気?

更新日 : 2020年04月01日

出典:PIXTA

ワンちゃんに発症することのある、免疫介在性溶血性貧血(めんえきかいざいせいようけつせいひんけつ)は、IMHAともいい、自分の赤血球に免疫反応が起きる病気です。赤血球が壊され、赤血球が不足してしまう貧血症なのです。

今回はこの、免疫介在性溶血性貧血について獣医師に伺いました。

どんな病気なの?

免疫介在性溶血性貧血は、自分の赤血球に免疫反応が起きる病気であり、免疫反応は
・赤血球自身に向けられる場合
・表面に付着している物質に向けられる場合
があります。肝臓や脾臓、あるいは血管の中でも破壊が進行します。

あらわれる症状は?

治療は、自分の赤血球に対して免疫ができてしまうことから、免疫を抑えるためステロイド剤などの免疫抑制剤の投与を中心に行われます。また、抗生物質などの薬が原因で起きているIMHAではその薬の使用を中止するなど、推測される原因は速やかに取り除きます。

重度の場合にはヒト免疫グロブリンを投与、輸血を行うこともあります。

治療方法は?

治療は、自分の赤血球に対して免疫ができてしまうことから、免疫を抑えるためステロイド剤の投与が最初に行われます。ステロイドの効果は通常48〜72時間で反応がみられます。

反応しない場合には、他の免疫抑制剤も並行して用います。また、抗生物質などの薬が原因で起きているIMHAではその薬の使用を中止するなど、推測される原因は速やかに取り除きます。

重度の場合にはヒト免疫グロブリンを投与したり、輸血を行うこともあります。赤血球の破壊が行われるのは脾臓であるため、高用量のステロイドが必要な場合や再発を繰り返す場合には、脾臓を摘出することもあります。

獣医師からのアドバイス

残念ながら、IMHAが急激に発症した場合の救命率が低いのですが、免疫抑制剤などに効果があれば、改善もできます。ただし再発することもありますので、治療後も血液検査を定期的に行うと安心です。

その他おすすめのコラム

猫も【膝蓋骨脱臼】になる!? その原因や治療法を徹底解説!

2020年04月01日

「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」とは、膝蓋骨(膝のお皿の骨)が通常あるべき位置から内側や外側に外れてしまうことをいいます。犬ほど一般的ではありませんが、猫でもまれに膝蓋骨脱臼になることがあります。 今回は、その症状や原因、治療法などについて... 続きを読む

いざというときに備えて。人とペット、新型コロナ感染症の関係性とその対策

2021年02月05日

新型コロナウイルス感染症は私たちの生活にさまざまな影響をもたらしています。人から動物への感染や動物同士の感染の可能性も示唆されており、ペットをめぐる状況も変化し続けています。感染症流行下でのペットとの生活を守るために知っておきたいことをご紹介します。 ... 続きを読む

犬猫の里親になるには?募集の探し方や迎え入れるための準備

2021年02月08日

感染症流行などによって社会情勢がめまぐるしく変化する中、ペットショップでの購入ではなく保護された犬猫をお迎えする飼い主さんが増えています。ペットと出会う場も、ペットショップでの対面よりもインターネットでのきっかけが急増しているようです。この記事では、犬猫... 続きを読む

飼い犬が食べ物以外のものを誤飲した場合はどうしたらいい?対処法や様子を見るときのポイントなど

2021年09月29日

動物病院ナビ&獣医師相談では会員様より毎日獣医師への相談を受け付けています。直近で寄せられた相談をピックアップしてご紹介します。今回は飼い犬が物を誤飲した場合の対処法について取り上げます。 どのような点を様子見すべきか、動物病院を急いで受診すべきかなど... 続きを読む