チワワの多頭飼いにおける悩みとは?性別や犬種の相性も解説
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愛くるしい容姿を持つチワワに一目ぼれをして、ご家族に迎えた方も多いのではないでしょうか。そして、家族の一員として慣れてきたころ、もう1頭を迎えたいと思う方もいるかもしれません。
この記事ではチワワの多頭飼いに対する適性や、多頭飼いのメリット・デメリット、注意点などを解説します。
目次
チワワの多頭飼いへの適性
チワワの多頭飼いがうまくいっているご家庭はたくさんあります。ただし、そこには注意すべきポイントも伴います。
チワワは体がとても小さい犬種です。とても警戒心が強く繊細な側面がある一方、自分の身を守ろうと全力で立ち向かっていくような気の強さも持ち合わせています。また、飼い主への愛情も深く独占欲も強い子が多いです。
そのため、新しく迎え入れる子を敵とみなして吠えかかったり、自分の縄張りであるお家を守ろうと攻撃的になったりする場合もあります。
では、チワワには多頭飼いの適性はないのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
飼い主への信頼、チワワ同士の相性が重要
まず重要なのは、すでに飼っている子と新しい子との相性です。臆病で繊細な性格の子の場合、新しく来た犬と過ごすことが大きなストレスになってしまうことがあります。
新しい子をお迎えする前に、先住犬の飼い主に対する信頼が揺るがないように関係性を構築しておくことが大切です。飼い主の言うことをちゃんと聞くようにしつけておくことが必要です。
信頼関係の構築、相性の見定めなど下準備がしっかりできれば、問題なく多頭飼いへとステップアップすることができると思います。
性別が異なる場合は避妊・去勢も
チワワは小柄ですが性成熟は比較的早く、女の子も生後半年を迎える前に初回発情が来ることもあります。多頭飼いで性別が違う子たちをお迎えする場合、繁殖を望まないのであれば早い段階で避妊手術や去勢手術も検討しましょう。
チワワの多頭飼いのメリット
多頭飼いにはどんなメリットがあるのでしょうか。具体的には、
〇犬同士の社会がお家の中でできるため、飼い主さんへの依存が軽減される
〇お留守番のときにさみしい思いをさせない
などが挙げられます。
飼い主と一対一で生活をすると、チワワと一緒にいる時間が多くなり、チワワが飼い主に依存してしまうことがあります。そうなると、離れたときに不安で仕方がなくなるなどの問題が生じます。
もちろん先住犬のしつけが大前提となりますが、犬同士でよい関係を築くことができると、飼い主不在の寂しさが緩和され、メンタル面の安定が期待できます。
留守番が多く、普段からいたずらをしてしまったり、元気を持て余してしまう子の場合、犬同士で遊ぶことは気分転換にもなるでしょう。
悩みはある?チワワの多頭飼いにおけるデメリット
もちろん、良いことばかりではありません。多頭飼いにおけるデメリットには以下のようなものが考えられます。
〇相性が悪く、日々争うことになると犬たちの精神的なストレスになる
〇頭数が増えた分、医療に関する出費が増える
相性の悪さによるストレス
気の強さも併せ持つチワワは、一緒に生活していても、相性が悪い犬同士だと敵対心をむき出しにして争いが絶えなくなる場合もあります。
対策としては、飼う際の性別の組み合わせに気を付ける、先住犬の性格に合った子を迎えるようにする、それぞれの縄張りが重ならないよう個々のスペースを充分に取ることができるような生活環境を作るなどの工夫が必要です。詳しくはこの後お話しさせていただきます。
病気や怪我の治療費
そして、医療に関する出費が増えることも、デメリットだと感じる方がいるかもしれません。
チワワのような小型犬の場合、骨格も華奢なため膝の関節が弱く、動き方によっては膝蓋骨(膝の皿)が動いてしまったり、脱臼したままになってしまい、痛みや歩き方に違和感を感じることがあります。
体のつくりによる症状は生まれつきの体質として現れる場合と、肥満やひざへの負担により成長してから現れる場合が考えられます。症状の程度により内科治療を継続的に行う可能性、または外科的治療が必要になる可能性があります。
そしてもうひとつ、小型犬が高齢になると多くなるのが心疾患です。
特に多いのは、僧帽弁閉鎖不全と呼ばれる、心臓のポンプ機能が低下して酸素が充分に行き渡らず、血液の循環が滞る病気です。中高齢になった時には検査や、発症後には定期的な投薬が必要になってくるでしょう。
そのほか、チワワは顎も小さく歯が詰まっているので歯周病なども気を付けたい病気です。予防のための歯磨きの習慣も欠かせないでしょう。
デメリットの解決法は家庭によりさまざま
多頭飼いにデメリットがないとは言えませんが、対策の取り方はご家庭によりさまざまです。例えば医療費で困ることの無いように、お家に迎えたときから保険加入を検討するのも一つの選択肢といえます。
先住犬の性格を知るかかりつけの先生やトリミングサロンのトリマーさんなどに多頭飼いについて相談してみるのもいいかもしれませんね。
チワワを多頭飼いする際のポイントとは?性別や犬種の相性も解説
チワワと異なる犬種は多頭飼いできる?
多頭飼いをしたいと思ったときに考えるのは、もう一頭チワワをお迎えするか、それとも他の犬種をお迎えするかということでしょう。
チワワは体の小さい犬種です。万が一、攻撃的な大型犬などとのけんかに発展した場合、大けがにつながってしまう可能性もあります。
性格が分からない状態でサイズの異なる犬種を飼うのはリスクが高いため、同じくらいの小型犬の方が安心です。
また、選択肢として、子犬を迎える以外にも保護犬などの成犬を迎えることを考えてもよいかもしれません。成犬の場合は、ある程度性格がわかっていたり、元気いっぱいの子犬を迎えるよりは、先住犬と年齢や生活ペースを合わせやすいというメリットがあります。
また、お迎えにあたりトライアルの同居期間を設けることが必要とされていることもあるため、相性を見るという点では非常に参考になります。
性格が穏やかな子同士であれば、体格差はさほど日常生活に支障がないことが多いです。とはいえ、何かの拍子にお互い興奮してしまい大喧嘩をするということも考えられます。
体格差のある犬種をお迎えしたいのであれば、けんかをしてしまったときのことまで想定し、目を離すときにはそれぞれのスペースに隔離できるような広い犬用スペースを設けるなどの工夫を欠かさないようにしましょう。
多頭飼いに向くチワワの性別とは?
性別の組み合わせも大切です。
同性同士であれば繁殖につながる可能性はありませんが、オス同士など群れの中での順位争いが起こり、けんかになることが考えられます。
メス同士でも、性格次第ではありますが力が同じぐらいの子同士だと、やはり順位争いでけんかを起こす傾向があります。
どんな組み合わせの場合であっても、やはりその子の性格や初めて対面するときの方法がもっとも重要です。お迎えをする子を決める前に、先住犬がどんな性格かもう一度見直してみましょう。
チワワを多頭飼いするための準備
お迎えすることを決めたら、以下のような環境調整を行うようにしてください。
〇犬ごとに専用のケージや水飲みなどわんちゃんグッズ、スペースを用意する
〇先住犬と飼い主さんの関係性を見直す
それぞれ専用のケージや食器を用意する
新たに外から迎え入れる犬と先住犬がお互いに病気を移しあってしまう可能性は否定できません。けんかを避けるためにも、離れた場所でそれぞれが落ち着くことのできるケージやスペースを確保しましょう。
また、食器などもそれぞれ専用のものを使わないと取り合いになります。落ち着いてごはんやお水を摂取できなければ、体調不良につながってしまうことも考えられます。
別々のケージやごはんは、お互いの存在に緊張しながら過ごす先住犬や新しい子に落ち着きを与えます。ケージ内にいるときは、お互いを意識しすぎないで過ごせるよう、飼い主さんが距離など配慮してあげましょう。
しつけを通した先住犬との関係性
そして、多頭飼いの準備として重要なもうひとつの要素は飼い主さんと先住犬の関係を見直すことです。しつけを通して、きちんと主従関係は築けているでしょうか。
新しい子をお迎えすることで、先住犬は不安定になります。新しく迎えた子も先住犬の真似をするようになるでしょう。関係性の基本となる先住犬との信頼関係をしっかり築いておくと安心です。
まとめ
チワワに限らず多頭飼いは、「このやり方に当てはめれば絶対にうまくいく」というモデルケースがあるわけではありません。
おうちの子の性格、ご家庭の環境、飼い主さんたちの性格や育て方などによって、どんな方法で新しい子をお迎えしたらいいのかも変わります。
新しい子をお迎えしたいと思ったときは、動物病院の先生やトリミングサロンのトリマー、ショップの店員、ブリーダーなど専門家の方に相談してみるのもおすすめです。
専門家の視点で、先住犬がどんな性格なのか、どんなトラブルが考えられるのかという貴重な意見が得られるでしょう。
そして新しく迎える子の性格も、お世話をしているスタッフさんたちはよく見ています。初めてその子を見た印象と、普段の生活の様子で違うことも多いものです。
ご家族だけで悩まず、専門家の力も借りながら充実した多頭飼い生活を目指してみてください。