サインを見逃すな! 意外と知られていない、愛犬の嘔吐と病気の関係
出典:PIXTA
吐き出したものの“色”で原因を見分ける
〇 透明、白色お腹が空きすぎている、胃酸が出過ぎている、胃液が逆流している、腸閉塞を起こしている、腎不全などが考えられます。
〇 黄色、緑色
消化液の一つである胆汁です。
空腹時間が長くなって胆汁が胃腸粘膜を刺激するために起こることが多いです。
〇 ピンク~薄い赤色
少し血が混ざっています。嘔吐が続いていると、胃酸により食道が荒れて出血することがあります。
〇 赤色(血の色)
胃粘膜から出血しています。胃潰瘍、腫瘍、血小板減少症などが考えられます。
〇 黒色
出血して血液が胃腸で消化液に接したため黒くなっています。
〇 茶色
チョコレートなど茶色い物を食べていませんか? 便の臭いを伴うなら腸閉塞の可能性もあります。ジャーキーやチュアブルタイプの薬など、なんでも詰まる可能性があります。丸飲みして食べて平気なこともありますが、常に平気とは限りません。きちんと消化されずに腸で詰まってしまうこともあります。
異物を飲み込んでしまった時は……
プラスチックやペットシーツ、硬い骨などを食べてしまうと胃腸を異物が通過できずに詰まってしまうことがあります。この時は他の食物も通ることができないので食欲がないのに嘔吐し続けたり、ご飯を食べても消化されないままごっそり吐いてしまいます。〇 肥料、虫除けなど殺虫剤
犬にとって魅力的な匂いを発するものもあるようです。飲み込んですぐに全部吐き出すこともありますが、危険な中毒を起こすこともあります。
〇 ボールなどの玩具
犬の口は大きいので、遊びに夢中になると丸飲みしてしまうことがあります。
“吐き方”から考えられる病気
〇 朝方や真夜中に黄色っぽい液体を吐く空腹時間が長くなって胆汁が胃腸粘膜を刺激している可能性があります。ごはんを1日3回など少量頻回に与えるようにすると改善することがあります。
〇 食後30分~2、3時間で吐く
胃の出口(幽門)の問題、腸閉塞などで消化管が詰まってしまっている時に食後数時間以内に未消化のフードを吐いてしまうことがあります。
〇 短時間に何度も吐く
異物による腸管閉塞や膵炎、重度の腎不全の可能性があるためすぐの受診が必要です。
獣医師からのアドバイス
そのほか細菌やウイルスに感染したり、腎臓の働きの悪化で高窒素血症になったとき、また膵炎を起こしている場合など、犬が嘔吐する原因はさまざまです。愛犬に異常を感じたら様子をみずにすぐに病院へ連れていき、適切な処置を施してあげましょう。