犬の三尖弁閉鎖不全症の症状
カテゴリー:犬の三尖弁閉鎖不全症
更新日 2020年02月28日
犬の三尖弁閉鎖不全症の症状
三尖弁閉鎖不全症の症状は右心房と右心室間にある房室弁と呼ばれる弁が閉鎖不全を起こすことにより生じます。通常静脈から右心房へ各臓器から戻ってきた静脈血が三尖弁を通過して右心室に流入し、肺へと送られ酸素豊富な血液となり左心房と左心室、大動脈を経由し全身へ送られます。三尖弁閉鎖不全症の場合、右心室に送られる血液のうちの一部が右心房へ逆流するため右心房の圧が上昇してしまいます。このため、各臓器から戻る静脈血もうっ滞し、腹水や四肢のむくみといった症状を呈します。胸に水がたまり呼吸困難になったり、疲労感が強くなることから散歩に行きたがらなかったり、行動が鈍くなることがあります。体重減少や食欲不振、慢性の下痢といった多彩な症状を呈することもあります。
犬の三尖弁閉鎖不全症の原因
三尖弁閉鎖不全症とは、心臓にある三尖弁という心臓の右心房・右心室にある弁の異常によって発症する心臓病の一種です。本来この三尖弁という部分は血液の逆流を防ぐために機能する弁であり、うまく機能しなくなると右心室に流れた血液の一部が逆流して右心房の圧が上昇し全身の血行動態に変化をきたします。実はこの病気が単独で起こる事はほとんどなく、起こるとすれば遺伝によって発症するといった先天的な原因のみであり、ほとんどの場合が他の病気によって併発する後天的な原因となっています。この病気を招く主な病気はフィラリア症や僧防弁閉鎖不完全症といった同じ心臓病によって引き起こされる事が多く、これらの原因はそれぞれ寄生虫による感染、加齢により弁自体が分厚くなる(粘液腫様変性)などが主なものとして挙げられます。
この病気になると運動をするとすぐに疲れてしまう、乾いたような感じの咳が出る、痩せるといった初期症状が確認出来ます。また、他の心臓病も併発している場合がほとんどなので、それらの症状から早期発見・予防に繋げる事が大切です。