犬の食道狭窄の症状

カテゴリー:犬の食道狭窄
更新日 2020年02月28日

犬の食道狭窄の症状

人間でも同様の疾患がある食道狭窄は食道内が内外部の影響によって狭くなり、食べ物の通過が困難になり嚥下障害(えんげしょうがい)を引き起こす症状を指します。

食べ物が飲み込めないので吐き出しますが、軽症であれば固さ・形状によって飲み込める場合もありますが重度に進行すると固形物は一切受け付けず、液状しか受け付けません。

飲み込めないので体重が減り痩せていきヨダレが止まらない場合もあり、食道炎を併発するので吐き気・食欲不振・咳・呼吸困難が引き起こされます。他の疾患を併発しやすいので食欲不振・食後頻繁に吐いていないか・液体を吐き出すようであれば直ぐに受診します。

食道炎が原因で食道狭窄に移行するケースもあるので注意が必要です。

食道が狭くなるメカニズムとして食道の粘膜が傷つき破壊されると、繊維化し内径がゴワゴワとします。

首を触るのを嫌がる・食べる時に大きな鳴き声・食べるのが遅い・食べて直ぐ吐き出す・ヨダレを垂らす事が特徴的な症状になります。

犬の食道狭窄の原因

犬の食道狭窄の原因は、食道炎となります。

食道は粘膜で覆われていますが、炎症がひどくなると粘膜下組織(ねんまくかそしき)や筋層まで破壊することがあります。それらの組織を回復させようと線維化がおこると食道が狭まるという状態になり、これを食道狭窄と呼んでいます。

食道炎の原因にはいくつかあり、咽頭炎・喉頭炎やピシウム・カンジダなどの感染が食道まで広がった場合があります。胃酸が上がってきてしまう逆流性食道炎も原因になります。

また、異物や有害物質を間違って飲みこんでしまった場合でもおこります。特に、玉ねぎといったネギやチョコレートなど人間にはなんでもない刺激物が犬にとっても毒物になってしまいます。異物で多いのがタバコやクリップといった文房具も誤飲することがありますので、室内で飼う場合や散歩の時も注意が必要です。中には、錠剤やカプセルが引っかかってしまい食道を傷つけてしまうケースもあります。食道や胸部を切開するような手術や麻酔、チューブ挿入など医療行為が原因となってしまうこともあります。

犬の食道狭窄の予防/治療法

ペットが吐いたり、食欲不振になることはよくみられる症状ですが、上部消化管とよばれる食道、胃、十二指腸などに炎症が起きたり、腫瘍ができたりすると食べ物が呑み込めなくなり、唾液すらも飲みこむのがつらくなります。

食欲はあるのだけれど食べた後にすぐ吐いてしまうという症状が慢性的にみられるのであれば、動物病院で内視鏡検査をしてもらい、バルーン拡張治療をしてもらうことになります。

食道狭窄には良性、悪性、食道がん治療後に見られるものの3つがあり、異物、熱いもの、化学物質、胃液の逆流などが起因となりますので、食べ物には十分なケアが必要です。年齢にかかわらず発症しますが、腫瘍性を発症するのは老年になってからが多いことが知られています。ウイルス、真菌などが原因の場合もあります。

食後にすぐ吐いたり、有害物資を飲んだりした場合にはすぐに動物病院へ行くなど早めの処置が可能ですが、吐く動作をしているのに吐かないという場合も胃捻転や異物の場合が考えられますので、すぐに動物病院で処置してもらうことが大切です。

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