犬の膵外分泌不全の症状
カテゴリー:犬の膵外分泌不全
更新日 2020年02月28日
犬の膵外分泌不全の症状
犬の膵外分泌不全とは、消化酵素が出なくなり栄養の消化、吸収能力が通常よりも低下してしまう症状のことを指します。通常、膵臓の消化酵素は、炭水化物、たんぱく質、脂質に対するものが分泌されています。インスリンなどの内分泌系のことではありませんので対処を間違わないようにしましょう。原因には遺伝的なものや慢性膵炎などがあげられます。
症状は、食欲は普通、もしくは亢進している状態であるのに対し、太らずやせていることです。他にも、臭いがきつい脂肪便、下痢、便の量が多いことがあります。
犬の膵外分泌不全の治療は、消化酵素を食事にまぜ摂取させる酵素療法や、脂肪や食物繊維を減らし、消化しやすく作られている療法食を与える食餌療法があります。
犬の膵外分泌不全の原因
膵臓には血糖値を調節するためのホルモンを分泌している内分泌機能と、食べた物を消化したり分解したりする消化酵素を分泌する外分泌機能があります。膵外分泌不全とは、なんらかの原因によって外分泌機能に障害が起き、膵臓で消化酵素が作られなくなってしまい、食べた物の消化吸収がスムーズに行われなくなって消化不良を起こす病気です。たくさん食べてるのに太らず痩せていくのが特徴です。原因には、慢性的な膵炎や膵臓の萎縮や先天性の形成不全が考えられます。ジャーマン・シェパード・ドッグでは遺伝により発生することが知られています。ラフコーティッド・コリーやイングリッシュ・セターでも発生が多いと報告されています。
症状は便が白っぽく、油がたくさん浮いている状態が多く見られ、油の腐ったような臭いがします。またガスがお腹にたまるため、おならをよくして、おなかもよく鳴ります。うんちの回数が多く、そのうんちを食べてしまうといった行動もよく見られます。
犬の膵外分泌不全の予防/治療法
犬の膵外分泌不全とは、膵臓に障害が起こることにより、消化のために必要な酵素が分泌されなくなり、特に脂肪が分解されなくなる病気です。消化不良を起こした犬は、食欲旺盛で大量に食べる割には痩せていて、その上、大量の便を出します。その色は白くて脂を多く含んだ脂肪便となり、脂の腐った腐敗臭を伴います。下痢を伴うこともあり、消化できていない糞をすることから、自分の糞を食べることもあります。先天性のもの、後天性のものの2種類があります。
膵外分泌不全の治療は、不足した消化酵素を餌に混ぜて補っていきます。反応を見ながら、その量を調整していきます。失われた膵外分泌機能は回復しないので消化酵素は犬の一生涯与え続ける必要があります。また、脂肪の消化がうまくできないことから餌を低脂肪のものにする必要があります。1回の食事量を減らして回数を増やすことも有効でしょう。状況によっては抗菌薬の投与を行うこともあります。
早期診断・治療が望ましいので、便の様子が正常でなかったり、成長が悪い場合は早期に動物病院に連れていきましょう。