人間だけじゃない。犬もつらいアレルギー症状とその原因

更新日 : 2021年04月20日

出典:PIXTA

暖かくなってさまざまな花が咲く季節。花粉症の人にとってはつらい時期かと思います。ところで、犬は花粉症にかかるのでしょうか。そんな疑問にお答えするために犬のアレルギーについて、よくあるご質問にお答えするような形でまとめてみました。アレルギーには、ワクチン接種の後に見られるアナフィラキシーという急性に起こる反応も含まれますが、ここでは慢性的な症状を示す問題についてのみ説明します。 

目次

犬にもアレルギーがあるの?


人が発症するアレルギーの原因には、スギやヒノキ花粉のような環境中の物質が原因となるものと、食品中の物質が原因となるものがあります。実は犬にも似たようなアレルギーがあり、どんな犬でも起こる可能性があります。

体質や遺伝との関連もあるため、特定の犬種に多くみられるという特徴もあります。アレルギー性皮膚炎の多い犬種として、柴犬、フレンチブルドッグ、ゴールデンレトリバー、シーズーなどが知られています。 

どんな時にアレルギーが疑われるの?

 皮膚や耳のかゆみ、下痢や吐き気、排便回数が多いなどの皮膚や胃腸に関する症状でなかなか治らなかったり、繰り返す場合にはアレルギーの可能性があります。犬に見られるアレルギーの症状では、人の花粉症のようにくしゃみや鼻水がみられることはそれほど多くはありません。犬はかゆみを感じると、かゆい場所を後ろ足でかく、壁や床にこすりつける、なめるなどのしぐさをします。耳の場合には頭を振ることでかゆみを訴えます。

もちろん、病気でない犬も体をかいたりなめたりすることがあります。アレルギーを疑う目安として適しているのは、寝ているときや散歩中の様子です。そういったときにしぐさが目立つ場合には、かゆみがあるのかな?と思ってあげてください。

犬のアレルギー、原因や症状は?

■犬のアレルギーの原因

アレルギーの症状は、吸い込んだり触れたり、食べたりした「たんぱく質」に対して犬の体が過剰に反応することによって起こります。アレルギーの原因となる物を「アレルゲン」と言い、特定の食品や食材がアレルゲンとなる場合を食物アレルギー(食物過敏症)と言います。花粉やカビ、ほこりの中に紛れている小さなダニ(チリダニなど)のような環境中の物質がアレルゲンとなり、体質や遺伝が関係している状態をアトピー性皮膚炎と言います。また、ノミも刺された場所にかゆみが出るだけでなく、アレルギーを引き起こします。

 

■犬のアレルギーの症状

アレルギーの主な症状は、眼や口の周囲、耳、胸の前、手足の先端、お腹、お尻の周りなどのかゆみです。はじめの頃には皮膚の赤みや湿疹もなく、かゆみだけが見られるということが多い傾向があります。症状が進むと皮膚の赤みや湿疹など皮膚の病変が見られるようになってきます。人の場合はアレルギーと外耳炎は結び付かないかも知れませんが、犬はアレルギーが外耳炎の主な原因のひとつです。食物アレルギーではこれらの皮膚の症状に加えて、下痢や吐き気など胃腸の症状が見られることがあります。また、ノミによるアレルギーでは背中に症状が現れるなど、原因によって症状に特徴があります。

アトピー性皮膚炎は花粉の季節や屋内のダニが増える暖かい季節になると症状が悪化するため、春から秋にかけては要注意です。食物アレルギーでは、原因となる物を食べた後に症状が悪化したり、季節に関係性なくかゆみがあるなどの特徴があります。人の場合はアレルギーと言えば花粉症を思い浮かべる人が多いかと思います。犬の場合は花粉も原因とはなりますが、くしゃみや鼻水よりも皮膚炎症状のほうが一般的です。

犬のアレルギーの診断や治療法は?

■犬のアレルギーの診断方法

食事性アレルギーでは1~2カ月間、アレルギーを起こしにくく工夫された特別な食事と水だけを食べてもらい、症状が良くなったことを確認することで診断します(除去食試験)。また、アトピー性皮膚炎ではノミやダニの寄生といった他の原因を除外し、初めて症状が見られた年齢、犬種、再発性や季節性のある症状、飼育環境、かゆみや皮膚病の発生場所、治療への反応などから総合的に診断します。「アレルギーの検査ではないの?」と思われる方も多いかと思いますが、アレルギー検査は診断の補助的な意味合いと原因となる物(アレルゲン)を見つけるために行います。

 

■犬のアレルギーの治療方法

食事性アレルギーでは、除去食試験で効果があった食事を続けることで治療します。一方アトピー性皮膚炎は体質や遺伝からくる病気ですので、完治させることは難しく、長期的に治療を行うことになります。アトピー性皮膚炎で行われる主な治療は以下の通りです。これらの治療を症状に合わせて組み合わせながら継続して行います。 

・かゆみ止めの内服薬

・かゆみ止めの外用薬

・抗アレルギー薬の内服

・細菌や酵母菌などの感染症の治療

・免疫抑制剤の内服

・減感作療法(アレルゲンに体を慣れさせる治療)

・スキンケア

・ノミの駆除や予防 

・食事療法

犬のアレルギー症状を防ぐには?

食事性アレルギーやアトピー性皮膚炎は体質や遺伝も関係するため、残念ながら完全に防ぐことは難しいでしょう。しかし、ノミが原因となるノミアレルギーは、ノミの予防をしっかり行うことで防ぐことができます。

犬がアレルギーとわかったら。症状軽減に役立つ日頃の対策

■食事性アレルギーの対策

アレルギーを起こさない特別な食事を食べてもらっていることが多いため、おやつも含めて食事には注意が必要です。もし他の物を食べてしまったり、食べさせてしまった場合には症状が悪化しないか様子をみて、記録も残しておくと良いでしょう。また、一緒に住む家族の協力が得られないとなかなか症状もが落ち着かないことが考えられるので、家族全員に病気のことを理解してもらうことが大切です。

 

■アトピー性皮膚炎の対策

食べ物の成分が症状を悪化させることがあるので、おやつも含め食事には注意するようにしましょう。また、スキンケアは症状の軽減に大きく役立つことが知られています。清潔にするのは良いことですが、皮膚を保護してくれる油分(皮脂)まで洗い流さないようシャンプーのやり過ぎは控えてください。頻度や洗い方、シャンプーの種類にも注意が必要です。アトピー性皮膚炎になると皮膚が荒れてしまいます。保湿性の高いシャンプーや保湿剤を使うと症状が軽くなります。また、ノミの寄生は症状を悪化させてしまうので、ノミの予防も大切です。 

まとめ

犬のアレルギーについてまとめてみました。かゆみによってゆっくり眠ることができなくなったりイライラしたりすることもあり、犬にとって辛い症状の1つでもあります。アレルギーなどかゆみを引き起こす病気も早期発見、早期治療が大切です。

 

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