犬の下痢の原因は…?病気のサインの場合も!?
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今回はそんなワンちゃんの下痢について、原因と対策を獣医師に解説していただきました。
大腸に原因がある下痢の特徴は?
下痢は大きく分けて2種類あります。大腸に原因がある下痢と小腸に原因がある下痢です。下痢と一言でいっても程度は色々ですよね。水のような下痢便や柔らかいけど掴める下痢便、異様な臭気を放つ下痢便。大腸に原因がある下痢の特徴は、以下のとおりです。
・回数がとても多いけど、1回の量は少ない
・粘液や血が混じることがある
・うんちをする格好をするけど何も出てこない(しぶり)
食欲や元気があるなら、数日で回復することもあります。糞便検査では寄生虫感染や細菌感染がわかります。場合によってはレントゲン検査(バリウム増影検査)、内視鏡検査、生検をすることで異物の存在やポリープや腫瘍なども発見できます。
小腸に原因がある下痢は便の量や色に注意!?
対して、小腸に原因がある下痢の特徴は、以下のとおりです。・回数は少し増える程度で量がかなり増える
・色がどす黒くなったり白っぽくなったりする
・お腹が張ったり、キュルキュルと音が鳴ったりする
・すえたような臭いがする場合もある
ご飯の食べすぎや吸収不良で下痢になることもありますので、与えすぎには気をつけましょう。
下痢になってしまったら…こんな点を見直そう!
無分別な食餌、感染症や中毒および腸閉塞などが原因の急性の下痢は治療開始後しばらくすると治まることが多いですが、以下のような点に注意してください。・仔犬でトイレのしつけの真っ最中の方は、一旦お休みにする
・下痢便は我慢するのが難しい時があるため、回復するまで失敗しても大目にみる
・脱水しないように水分はたっぷり飲めるように水の容器を数ヵ所に増やす(※ただし、水を飲むと吐いたり下痢をするようならやめて動物病院に連れて行く)
・食欲がない時は消化の良い好きな味のものをあげる
・元気や体力があるなら胃腸を休めるために半日~1日くらい絶食絶水させてもよい
・毛布などで温かくしてあげたり、エアコンの温度にも気を付ける(※床の近くは冷気が集まるので、設定温度より低い温度になっていることもある)
血液検査をしなければ原因がわからない場合もある!
腸管以外の臓器(膵臓、肝臓、腎臓など)にトラブルがある場合も下痢をします。これらのトラブルは血液検査で発見できることが多いです。トラブルを起こしている臓器を治さないと下痢は完治しないでしょう。受診する際は、下痢以外の症状(以前とこんなとこが違う、ここが気になっていたなど)も併せて獣医師に話すと診断の助けになります。また、内分泌のトラブルでも下痢になります。こちらは簡易血液検査で発見できないこともありますので、受診の際は最近の様子なども併せてお知らせください。
副腎皮質の機能が低下したり(副腎皮質ホルモンの低下)、甲状腺が働きすぎたり(甲状腺ホルモンの過剰)、また、恐怖心を感じるとエピネフリンが大量に放出され、下痢になることがあります。