猫の扁平上皮癌の症状

カテゴリー:猫の扁平上皮癌
更新日 2020年02月28日

猫の扁平上皮癌の症状

猫の扁平上皮癌とは皮膚や角膜などの体表面や、体内への入り口にあたる表面を覆っている扁平上皮にできる癌のことです。
皮膚があればどこにでもできる可能性はありますが、白い毛の部分や、毛の薄い部分にできることが多いとされています。
癌ができた場所によっても症状は様々です。
口腔では舌と歯肉に発症し、しこりができ、ただれたり潰瘍を引き起こします。
潰瘍部分から出血すると血の混じったよだれをたらすようになります。
また、ものが飲み込みにくくなったり、しこりによって口が閉じにくくなることがあります。
鼻の表面では、鼻出血、くしゃみ、鼻汁、できものなどの症状があります。
耳介、まぶた、唇などの顔の皮膚にできた場合は、できたての擦り傷のように見えますが、時間が経過しても治ることはなく、徐々に大きくなっていくのが特徴です。
肺に発生すると、呼吸困難、体重減少、乾いた咳といった症状が見られ、咳をした時に血を吐くこともあります。

猫の扁平上皮癌の原因

扁平上皮癌は皮膚や目の角膜などの体の外表を覆う組織や腸などの消化器官の表面を覆う組織である扁平上皮と呼ばれる部分の細胞ががん化した悪性腫瘍です。腫瘍部分は潰瘍を起こし出血・排膿が見られることもあります。更に進行すると、がん化した組織が脱落してしまうこともあります。特に皮膚や口腔によく見られる病変です。

その原因は、過剰な紫外線や煙草の煙であると言われています。皮膚にできるがんでは、長時間紫外線を浴び続けたことによって起こした皮膚炎が原因になることが多く、紫外線の影響を受けやすい白猫や体毛の一部が白い猫で特に顕著です。口腔にできるがんでは、大気汚染物質によって起こるものが多く、とりわけ身近なものが煙草の煙であるというわけです。

また、高齢な猫や免疫不全ウイルス感染症(エイズ)を罹患している猫では、免疫力が低下しているため、がん化した細胞を駆除することができず扁平上皮癌にかかりやすいという傾向があります。

猫の扁平上皮癌の予防/治療法

猫の扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)は、手術で癌の腫瘍のできている部分とその周囲の組織を切除する治療が主になります。
顔面の場合、できた部位と大きさによって、たとえば耳介(じかい:耳の外側に出ている部分)や耳道(じどう:耳から鼻へつながる器官)の場合は耳を丸ごと切除する、目なら眼球を摘出する、あごならあごを骨ごと切り取るといった大きな手術が必要になることがあります。
ただし、舌の付け根のように切り取ると食事が摂れなくなるなど生活レベルを著しく下げてしまう場合や、すでに他の器官に浸潤(しんじゅん:癌組織が広がること)や転移がおきている場合、手術に猫の体力が耐えられないと判断された場合は、手術せずに抗癌剤や放射線による治療が行われます。
扁平上皮癌は、白や淡色の猫の場合は紫外線の影響で発生することが多いとされているため、予防として室内飼いが勧められます。それ以外の色の猫でも外耳道炎(がいじどうえん)や口内炎から発生するケースがあるため、それらの病気を早めに治療しておくことが予防につながります。

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