ペットから人へ感染する病気って?動物由来感染症について知ろう

更新日 : 2021年02月08日

出典:PIXTA

近年、動物から人間へ感染したり、人間から動物へ感染する病気が世界を騒がせています。ペットを飼っている方や小さいお子さん、高齢者がいらっしゃる方は不安に思われることもあるかもしれません。今回は人間と動物の間で感染することのある感染症についてご紹介します。 

目次

動物由来感染症(人獣共通感染症)とは

動物と人間の間でうつる可能性がある感染症を人獣共通感染症もしくは動物由来感染症、人と動物の共通感染症(ズーノーシス)といいます。この記事では、厚生労働省の表記にしたがって動物由来感染症で統一しています。動物由来感染症は病原巣となる動物が哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類などです。

 

また症状に関しても、狂犬病や炭疽(たんそ)のように人と動物両方に命に関わる重い症状を起こすものもあれば、ネズミでは症状を出さずにいるが人では命に関わる症状を出すような腎症候性出血熱のようなもの、あるいは鶏のニューカッスル病のように動物では重症だが人では軽症のものなどさまざまです。 

ペットからの感染症。感染経路は?

野生の猫のイメージ画像

動物由来感染症の感染経路は大きく以下の2つに大別することができます。

 

・直接伝播

咬まれたり引っ掻かれることで感染するほか、排泄物や飛沫などから感染するものです。

・間接伝播

ダニやノミ などの昆虫、水や土など環境を介するもの、肉や卵など動物由来の食べ物から感染するものです。

・ペットから感染する病気

犬や猫などのペットから感染する動物由来感染症もあります。噛まれたりひっかかれたりすることで感染するものとしては、

・狂犬病

・猫ひっかき病

・パスツレラ症

・カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症 などが挙げられます。

 

狂犬病以外の病原体は健康な犬猫が症状を出さずに保菌していることも多く、人に感染すると症状が発出します。皮膚糸状菌症はカビによる皮膚の症状を出すもので、健康な成人では感染しても発症することは多くないのですが、免疫機能の未熟な子どもや高齢者の方では発症することがあります。

 

ペットの糞便などから感染する可能性のあるものとしては、トキソプラズマ症、回虫症、クリプトコッカス症、サルモネラ症などがあります。 

動物由来感染症(人獣共通感染症)とは

手を洗うイメージ

妊婦さんの中にはトキソプラズマ症を気にされる方もいますが、完全室内飼いの猫のうんちにトキソプラズマがいることは少ないとされています。また、もし万が一トキソプラズマが猫のうんちに入っていたとしても、排出されてから24時間しないと感染力を持たないので、24時間以内に片付けておけば心配はいりません。きちんと排泄物を片付け、ペットを触ったりお世話をしたりした後は手洗いを怠らないようにすることで、こうした感染症にかかる可能性を低くすることができます。

 

■引っ掻かれた・噛まれたら

もし引っ掻かれたり噛まれたりした場合は、速やかに人の医療機関を受診して医師の指示を仰ぎましょう。動物病院では出血するくらい引っ掻かれたり噛まれたりすることが日常茶飯事です。そのような場合は、大量の水道水でまず患部をよく洗い流して、なるべく傷口の病原体を流すようにしています。

 

■狂犬病の予防接種

狂犬病は感染すると人も犬も高い死亡率を示す恐ろしい感染症です。しかし2021年1月現在、日本には狂犬病はありません。世界でも数少ない狂犬病清浄国なのです。犬を飼っている方は毎年4~6月に1回、狂犬病の予防接種をしていると思います。あれは人間の感染源として犬がもっとも問題だったため、人間を守るための法律で定められたものです。

 

獣医師は農林水産省の管轄下ですが、狂犬病の予防接種は人を感染から守るために行われるので厚生労働省の管轄なのです。人と動物双方を守るためにも、犬を飼っていらっしゃる方は、今後も定期的な予防接種を継続しましょう。

予防のイメージ

まとめ

動物から感染する病気は数多くありますが、一方で動物が私たちに与えてくれる恩恵は計り知れません。そして、病気についてやみくもに恐れてしまうと、ペットとの生活を十分に楽しめなくなることも考えられます。

 

病気について正しく知り、日頃から排泄物の管理や手洗いなどを基本的な衛星管理をしっかりしていれば、過度に恐れる必要はありません。さらに興味のある方は参考情報として記載した厚生労働省などのホームーページをご覧ください。

 

参考:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000155663.html 

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