ペットの犬猫に「口内炎」ができてしまった! どうやって治してあげればいいの?

更新日 : 2020年04月01日

出典:PIXTA

私たちがふつう「口内炎」というと、口の中にできる、痛みのあるポツンとしたできものをイメージすることが多いと思います。しかしそもそも口内炎とは、内頬や歯肉、舌といった口の中の粘膜の炎症全般を指します。口の中のトラブルは気付きにくく、痛みや食欲の低下といった症状や口臭の悪化で、飼い主がはじめて気づくケースが多いものです。

そこで今回は、犬猫が発症する「口内炎」の症状や治療法について獣医師に聞いてみました。

犬の口内炎の原因は、主に歯周病と外傷

<原因1:歯周病>
歯に食べ物が残り、不衛生な状態が続くことで歯石となったり、歯肉に炎症が起きたりと、もっとも注意すべき口内炎です。歯ぐきや周囲の粘膜が赤く腫れたり、膿が溜まったりするもので、悪化すると顎や頬の骨を溶かして皮膚に穴があくこともあります。

<原因2:外傷>
主に骨や木片、固いおもちゃなどをかじって口内粘膜を傷つけてしまうことで起こります。傷口からバイ菌が感染することもあるため、注意が必要です。

また高齢になると、粘膜の細胞由来の腫瘍ができることがあります。過形成と呼ばれる良性のものと、いわゆるガンに分類される悪性のものがあります。白っぽい、黒っぽい、腫れているなど正常な粘膜の色と違う、また出血するできものを口の中に見つけたら、早めに獣医師に相談しましょう。

猫の口内炎はウイルス感染が主流

猫の口内炎は、カリシウイルス・ヘルペスウイルスウイルスやネコ免疫不全ウイルス(いわゆる猫エイズ)、ネコ白血病ウイルスといったウイルス感染に関連するケースが多く、外に出る習慣がある猫は特に注意が必要です。

それぞれ症状は多様ですが、舌粘膜に痛みを伴う潰瘍(かいよう)ができるという共通点があります。外傷、歯周病、腫瘍については犬と同様です。

知っておきたい、治療と予防法について

犬も猫も、口内炎が生じた背景になる疾患の治療を行うことが基本となります。口内炎に対して塗り薬などの局所の治療は、動物が舐めてしまう、嫌がってかえって刺激になってしまうなど逆効果になり、あまり現実的ではないかもしれません。

犬では歯周病、外部との接触がある猫ではウイルス感染への対策が、飼い主さんが口内炎を防ぐためにできることです。犬では歯石の原因になりやすいウェットフードを避けドライフードにしたり、食後に歯みがきの習慣をつけるとよいでしょう。日常的に外に行く猫では積極的にワクチン接種を行いましょう。

獣医師からのアドバイス

犬猫ともに、顔周りを飼い主に自由に触らせてくれる習慣をつけておくと、早めに口の中の異常に気付ける可能性が高まります。若いうちからスキンシップの一環として触れ合いを増やすとよいでしょう。

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