獣医師に聞く! ペットの噛み癖、どうやって治せばいい?

更新日 : 2020年04月01日

出典:PIXTA

犬や猫にとって噛むという行為は、かまってほしい、遊んでほしいなど、愛情表現のひとつでもあります。そのため、ついつい悪気があるわけではなのだから…と対処に困ってしまっている飼い主さんも多いとのでは? とはいえ、特に子犬や子猫では、興奮とともにその行為がエスカレートしてしまい、時に痛いくらいに噛んでくることもあり、悩んでいる方もいるでしょう。

そんな、「あまがみ」とはいえないペットの噛み癖について、獣医師が答えてくれました。

噛み癖のしつけは小さい頃から

小さいうちはまだ分からないから…と許すのではなく、小さいうちにしっかりとしつけてあげることが大切です。乳歯が永久歯に生え変わる4~6ヶ月頃は、歯がむずがゆくて何かを噛みたくなるので、特に噛み癖が、ひどくなりやすいと言われています。

本来ならこの時期に兄弟同士でかみ合ったりすることで加減を学んでいくのですが、多くの子達ではそれが難しいと思います。そこで、代わりに飼い主さんがこの時期にしっかりと噛んでいいものと悪いもの、その力加減を教えてあげることがとても大切です。もちろんある程度成長してからも直せないわけではありませんが、少し大変になることが多いように感じます。

具体的なしつけ方

まず、「人は噛んではいけない」ということは、はっきり教えましょう。痛いのだということを知らせることです。もし、 噛んでくることがあれば次のステップをとりましょう。

1:「痛い!」と強く言います
2:そしてその場を離れる


<ポイント>
その場から離れる時は、ペットから全く見えない位置に移動します。


これによって、今までしていた遊びは突然中断されることになります。ペットにとってはとてもつまらない状況になってしまうわけです。そうした体験を通して、噛むという行為は楽しいことが出来なくなる、飼い主さんに相手にしてもらえなくなるということを学習させるのです。

中途半端な態度は逆効果!

「だめだよー」や「やめてねー」、「こらこら」などの中途半端な態度はよくありません。曖昧な態度では、かまってくれている、と勘違いしてしまう原因にもなり、それが遊びに発展してしまうこともあります。また、中途半端な無視や、変に騒ぐことも逆効果。かまってくれたと喜んでしまうこともあるのです。

噛んでいいものも与えましょう!

犬用のおもちゃなど噛んで良いものも与えましょう。そして、噛んでもよいもので遊んでいるときには一緒にたっぷり楽しんであげてください。噛んでいいものは遊んでくれるが、だめなものは無視をされてしまうということを覚えさせる事が大切です。

ただし、タオルなど噛んでいいものといけないものの区別が難しいものはわんちゃんが混乱するので注意が必要です。

ほめて伸ばす!

これは噛み癖を直すことに限ったことではありませんが、信頼関係を築くことは一緒に暮らしていく上でとても大切なことです。 ほめるときにはしっかりとほめてあげる、いけないことをしたときには無視をしてかまわないようにする。メリハリをつけた態度で接して下さい。

獣医師からのアドバイス

しつけは、しかったり、たたいたりすることではなく、良いタイミングでほめることの繰り返しだと思います。根気強く接してあげましょう。

その他おすすめのコラム

どうしてもペットを飼えなくなったときの対処法は?

2020年04月01日

できるだけ避けたいことではありますが仕事や家庭の事情などで、突然、愛犬や愛猫との別れを余儀なくされる場合があります。 まず転居される場合は、本当に飼えないかをもう一度よく考えてみてください。 転居先はペットを連れていけないその場所しかありませんか?最... 続きを読む

飼い主さん必見!室内飼いの猫のための安全な部屋作り!

2020年04月01日

最近はペットを飼育できるマンションも多く、ネコちゃんを室内のみで飼う方も多くいらっしゃいます。実際、室内飼いの猫の方が寿命も長く、室内飼いは一見安全そうですが、室内ならではの危険もあるため、安全に過ごせる生活環境作りが必要になります。 今回はネコち... 続きを読む

原因は環境の変化!?犬や猫の"ストレス性脱毛症"について。

2020年04月01日

犬や猫がいきなり脱毛して驚いた経験のある飼い主さん、それはストレスによるものかもしれません。犬や猫がストレス?と思う人もいるかと思いますが、実際にはそんなに珍しいものではなく、ちょっとした環境の変化から自分の毛をむしり続けて脱毛してしまう事もあります。 ... 続きを読む

猫の【てんかん】、知っておきたいその症状や治療法とは?

2020年04月01日

「てんかん」とは、様々な原因により発作を繰り返すことが特徴の脳疾患です。 犬に比べると原因不明の“特発性てんかん”にかかることは少なく、脳腫瘍などの病気の続発としての“症候性てんかん”が主流です。どちらにしても、発作が30分以上長引く場合には、命を落と... 続きを読む