犬の肺気腫の症状
カテゴリー:犬の肺気腫
更新日 2020年02月28日
犬の肺気腫の症状
酸素と二酸化炭素を入れ替え、ガス交換の役割をする肺胞と呼ばれる器官が、異常にふくらんでこわれてしまった状態を「肺気腫」といいます。正常な肺胞は弾力性があり、膨らんでは戻りを繰り返していますが、この病気ににかかってしまうと、自力では空気を送り込んだり、外に送りだすことができなくなってしまいます。そのため、大きな息遣いをしなければ、肺の中の空気を逃せなくなってしまいます。咳や運動した際の呼吸困難、軽度の呼吸数の増加などがよくみられます。息を吐く際に腹部を大きく動かすような呼吸もみられることがあります。重度の肺気腫では低酸素血症を起こして心臓に負担を掛けたり、血液の赤血球という成分が多くなる多血症を起こしたりします。
犬の肺気腫の原因
肺気腫の原因には様々な要素が考えられますが、何らかの理由で肺胞を損傷することで、その周囲も異常をきたして引き起こされます。一つには、免疫力の低下などにより、ウイルスや細菌などに感染して、気管支炎や肺炎にかかったことが原因となる場合があります。炎症だけでなく、腫瘍などでも同様で、気管支が異常をきたすとともに、それに繋がっている肺胞にも病変が広がることがあります。
また、激しく咳をするなど、急激な呼吸によって肺胞が損傷することもあります。ですから、喘息が慢性化していることが原因となって、肺気腫へ発展することもあります。
そして、原因として最も多いと考えられるのは、タバコの煙や車などの排気ガス、大気汚染によるものです。ペットも人間も同様に、汚染された空気やガスといった、体に不要な物質を長期間吸い続けると、肺胞に異常が起こります。もちろん、有毒ガスを大量に吸い込んでも肺胞を損傷する危険が高いと言えます。
また、加齢による肺の老化が原因であることもあります。
犬の肺気腫の予防/治療法
犬が肺気腫になってしまった場合の主な治療法は「基礎疾患の治療」「対症療法」です。気管支炎や腫瘍など、別の病気が原因で病気にかかってしまった場合は、肺気腫の治療ではなく、まずはそういった気管支炎や腫瘍などの基礎疾患から治療を開始します。一度病気にかかり、壊された肺胞を修復することは残念ながらできません。外科手術を行って気腫を起こしている部分を局所摘出します。また、これ以上病気を悪化させないための対症療法も必要です。病気はタバコなどの有害な煙をすったり、急激な呼吸運動が原因で起こると考えられているので、飼い主はタバコを吸わない、もしくは犬の周りではタバコを吸わない。過激な運動は避けさせることで病気にかかるのを予防する効果があります。
今や、犬は家族の一員です。大切な犬を病気にさせないために、できるかぎり良い環境にすることが大切です。それでも病気にかかってしまった時は、悪化させないために、常に気を使う必要があります。