猫の巨大結腸症の症状

カテゴリー:猫の巨大結腸症
更新日 2020年02月28日

猫の巨大結腸症の症状

巨大結腸症の主な症状は、重度の便秘です。そのため、一日に何度もトイレへ行って排便の姿勢をとっても便が出ない、という典型的な便秘の症状が現れる一方、水様性の下痢便が少量のみ固まった便の隙間から出てくる等、下痢と勘違いされるような症状が見られる場合もあります。下腹部に便が固まって詰まるため、下腹部を触ってみるとコリコリとした触感があることも症状の特徴の一つです。見た目では、毛づやが変わってくるという症状も現れます。
便秘と便秘に伴う症状がが数週間から数年と長期に渡って続いた場合、普段通りの元気な様子が見られなくなる、食欲がなくなる、体重が落ちる、脱水症状、嘔吐等の症状も続いて見られるようになります。
巨大結腸症の内、原因がはっきりしているものを「後天性」、原因がはっきりしない場合を「特発性」と呼び、特発性は猫が発症する場合が多いです。また、先天性の場合は子猫の頃から上記のような症状が現れます。

猫の巨大結腸症の原因

巨大結腸症は主に以下の三つの原因が考えられます。

まず、病気や事故によって自律神経が傷つくことにより、蠕動運動がうまくいかなくなるという原因が挙げられます。この場合は、骨盤の骨折に伴う周辺の神経や組織の損傷によるものが特に多いですが、腸管内外の腫瘍による圧迫や飲み込んでしまった異物が便の通過を妨げている等の場合もあります。

次に、事故で骨盤や脊髄が変化し、便の通過を物理的に妨げてしまうという原因が挙げられます。交通事故による骨折や神経損傷が具体例として挙げられます。臨床的にはこのケースが多くなります。

最後に、まれなケースですが先天性の原因で便が出にくくなっているという原因が挙げられます。生まれつき結腸の一部が狭い、腸の蠕動運動を司る自律神経系の先天的異常があるという場合がこの原因に当てはまります。

この他にも、偏った食事や生活環境、肥満、神経に異常をきたすウイルス性疾患、腹筋力の低下等の原因も考えられます。

猫の巨大結腸症の予防/治療法

猫が巨大結腸症になると、結腸に便がたまり重い便秘になります。

治療法としては、たまった便を直接掻きだす、下剤や浣腸により便を排出させる、必要に応じて点滴する(食欲低下などによる脱水や電解質のバランスを改善するため)といった処置でまず管理を試みます。これらの処置でのコントロールが困難であれば、骨盤が狭くて便が出なくなっているような場合は骨盤を広げるための手術、便がつまって伸びてしまった結腸を切除する手術などを検討します。

子猫の頃からバランスの良い食事を与えたり運動をさせることによって便秘にならないようにしたり、長期間排便がない状態があれば受診するようにしましょう。

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