犬の子宮蓄膿症の症状

カテゴリー:犬の子宮蓄膿症
更新日 2020年02月28日

犬の子宮蓄膿症の症状

元気や食欲がなくなる、発熱、嘔吐、下痢、たくさん水を飲むようになる、おしっこが増える、お腹がふくれるなどの症状が見られる場合、子宮蓄膿症の可能性があります。
特に出産経験が無く、避妊手術をしていない中高齢のメスの犬や、かなり前に一度だけ出産したことがある犬が、この病気にかかる危険性が高まります。

この病気は、飼い主が気付きにくく、重症化してから病気が発見されることも多くあります。
放っておくと子宮が破裂して腹膜炎を引き起こしたり、細菌から出される毒素によって腎不全や敗血症性ショックなどにより、命を落とすこともある危険な病気です。

診断は、レントゲン検査とエコー検査で子宮を確認し、血液検査の数値を見て全身の状態を確認します。子宮蓄膿症であった場合、外科手術が選択されることが多く、一刻も早く膿の溜まった子宮と卵巣を摘出する必要があります。

発症した場合も、早めに治療や手術をすれば助かるので、少しでも異変を感じる場合、早めに動物病院を受診すると良いでしょう。

犬の子宮蓄膿症の原因

子宮蓄膿症の原因として挙げられるのは細菌の体内への侵入です。子宮内に細菌が進入すると、それに対する防御反応として炎症が起こります。細菌そのものは白血球により駆除されますが、侵入してきた細菌の量が多い場合には、必要となる白血球の量も増えてしまいます。この増えすぎた白血球が子宮蓄膿症の膿の原因になるのです。発情期には子宮の頸部が緩んでしまうので、外部から細菌が体の中に侵入しやすくなります。具体的な細菌は、大腸菌やブドウ球菌、サルモネラなどが挙げられます。また、女性ホルモンの仲間であるエストロジェンやプロジェステロンなどの性ホルモンのバランスの異常も要因になります。

また、子宮内膜炎を経て患った場合には、子宮内膜過形成という要因が関係してくることもあります。子宮内膜は妊娠が成立しないままプロゲステロンの影響を受けることを何度も繰り返していると、分厚くなってしまいます。
飼っているペットに出産経験がなかったり、避妊手術を受けていない場合には、これが原因で引き起こされることもあります。

犬の子宮蓄膿症の予防/治療法

子宮蓄膿症の根本的な治療法は外科手術で膿の溜まった子宮を切除する事です。細菌の産生する毒素により敗血症を起こしている場合は命に関わりますので、子宮蓄膿症と診断された時点で緊急手術となることが多い疾患です。心疾患を併発している等で外科手術が難しい場合は、アグレプリストンなどの抗ホルモン剤やPGF2αなどの薬を使用して内科的に治療することもあります。
一番の予防法は避妊手術を受けさせる事です。避妊手術では卵巣のみを摘出する卵巣摘出術か、卵巣と子宮を摘出する卵巣子宮摘出術を実施します。
6歳以上のわんちゃんに多く発症しますが、若齢でも発症する可能性はありますのでわんちゃんを飼っていらっしゃる方は生理後1~2カ月はよく注意して様子をみてあげてください。

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