犬の肛門嚢炎の症状

カテゴリー:犬の肛門嚢炎
更新日 2020年02月28日

犬の肛門嚢炎の症状

肛門嚢炎とは、肛門の近くにある肛門嚢と呼ばれる器官に炎症が起こることをいいます。
主な症状としては、肛門の周囲に赤みや腫れが表れることが挙げられます。症状が悪化してしまうと、お尻から出血したり、皮膚炎を起こしたりすることがあります。最もひどい場合には、膿がどんどん貯まってしまうことで膿瘍(のうよう)と呼ばれるコブになってしまいます。その状態をそのまま放置してしまうと、だんだんコブが大きくなってしまい、やがて破裂し、皮膚に穴が開き出血や排膿してきます。
分泌器官である肛門腺に分泌物が貯まり始める初期の症状としては、しっぽを追いかけるなど、お尻を気にするような仕草をしたり、お尻を地面でこするような仕草をすることがあります。その他、排便したあとに突然走り出す場合もあります。

似たような症状を示す病気に、会陰ヘルニアというものがありますが、肛門嚢炎の場合、会陰ヘルニアよりもコブが小さいのが特徴です。

犬の肛門嚢炎の原因

肛門嚢炎は、犬の肛門の近くにある肛門嚢という器官が炎症をおこしている状態です。
この肛門嚢は、犬がマーキング時などに使用する分泌液が蓄えられる器官です。
通常、うんちをする時や、興奮した時に自然に排出されますが、チワワやトイ・プードルなどの小型犬や肥満犬など、分泌物を排出する筋力が弱いと自力で排出出来ず、肛門嚢の中に溜まったままの状態になると、細菌が発生し炎症が起こります。
このまま放置してしまうと膿がどんどん溜まり、破裂してしまうことがあります。分泌物を自力で排出することが困難な場合、飼い主が定期的に絞り出す必要があります。
肛門嚢炎の症状は、分泌物が溜まることによる肛門周辺の不快感に起因するものが多く、お尻をこするように歩いたり、お尻を舐める、お尻を触られるのを嫌がる、突然走り出す、自分のしっぽを追いかけるなどの動作が見られます。
また、肛門付近の腫れや赤くなる、うんちが出にくくなるなどの症状や、重症化している場合は、発熱や食欲低下などの症状が見られます。

犬の肛門嚢炎の予防/治療法

軽度の場合は肛門嚢が存在する肛門からみて4時と8時方向にを押し出すように絞り出し内容物を除去し、抗菌薬の注入や洗浄を行いつつ消炎鎮痛剤を投与します。糞便用量を増やし肛門嚢を圧迫する機会を増やし排泄促進するのも効果的です。この時は繊維質を豊富に含んだ療法食を給餌しましょう。何度も再発を繰り返す慢性症例では抗菌薬の経口投与を行い、さらに反応が悪い場合は外科的に肛門嚢を摘出したりすることもあります。摘出した肛門嚢は、腫瘍の可能性を考慮して病理組織学的な検査を実施します。普段から犬の様子をよく観察し、お尻をよく引きずるなどの行動がみられたら動物病院に連れていきましょう。

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