犬の脱肛/肛門脱の症状

カテゴリー:犬の脱肛/肛門脱
更新日 2020年02月28日

犬の脱肛/肛門脱の症状

脱肛/肛門脱は原因として便秘や基礎疾患、メス犬が分娩の際にいきみすぎてしまう、肛門括約筋のゆるみなどが挙げられており、予防対策としては便秘の予防や解消、分娩の介助、肛門括約筋の訓練などある程度飼い主が出来ることがあるのが特徴です。これらは原因を把握し、獣医に相談しながらどのようにしていけばいいのかを話し合って実行していくことが大切になります。

それでも脱肛/肛門脱になってしまった場合はどのように治療すればいいのかという問題ですが、応急処置としては出てきてしまった肛門を中に押し込めると言うものがあります。もちろん一時的なものですし重度の場合は素人では元に戻せないため、必ず動物病院に受診する必要があります。

そして本格的な治療としては外科的手術が基本となっており、切除するのではなく軽度の場合は縫合して脱出が起こりにくいようにします。重度の場合には切除などもありますが、ほとんどの場合は縫合で治療をすることが出来ます。

犬の脱肛/肛門脱の原因

脱肛/肛門脱とは、肛門から直腸が体の外に飛び出している状態の事を言います。内臓が外の空気に触れるため、強い痛みと不快感があります。また、なかなか排便できずに排便姿勢をとるしぶりもみられます。特に肛門括約筋の弱った老犬や力のない犬や出産経験のあるメスの犬に多く見られます。また、栄養不良により肛門括約筋や直腸周囲組織が弛緩することでも発症しやすくなります。

脱肛の症状には、肛門の部分にドーナツ型の膨らんだ直腸が出てくる症状である粘膜の脱肛と肛門からソーセージ型の直腸が出てくる症状である腸の脱腸の2種類があります。
感染症や寄生虫症や胃腸の疾患などによって直腸に炎症が起きて、粘膜の体積を増やしてしまうために起こる脱肛と、子供を出産する時に力みすぎて、その事によって脱肛してしまう事と、肛門括約筋の筋力が低下する事で腹圧に負けてしまい、脱肛が起きてしまう事と、便秘のため便を無理矢理押し出そうとすると腹圧によって肛門が圧迫されて直腸が出てしまう事などが原因であると考えられています。

犬の脱肛/肛門脱の予防/治療法

脱肛/肛門脱は、排便時の強いいきみ、栄養不足や加齢、内臓疾患などによる肛門括約筋の筋力の低下、分娩時のいきみなどが原因で腹圧を抑えきれなくなったときに発生します。
感染症や寄生虫による疾患、胃腸の疾患などが原因となる場合もあり、特に子犬や子猫において脱肛/肛門脱の発生率が高いといわれています。
治療は、とりあえず脱出した部分に潤滑剤を塗布して肛門内に押し戻します。腫れがひどい場合は、浸透圧製剤を用いて炎症によって主張した組織を小さくし、麻酔薬を用いて痛みを抑えることで努責(どせき)を止めます。損傷がひどく細菌感染が疑われるときは損傷した部分を外科的に切除する必要があります。
再発を防止するために肛門周囲の皮膚を巾着袋のように縫合することもあります。何度も再発するような場合は直腸や結腸を腹腔の内部に固定する結腸固定術という外科的治療が有効です。脱出した部分が壊死している場合は直腸の切除と吻合が必要です。消化しやすいように調整された療法食を給餌するのも再発防止に有効です。

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