犬の角膜裂傷の症状

カテゴリー:犬の角膜裂傷
更新日 2020年02月28日

犬の角膜裂傷の症状

犬の角膜裂傷は黒目の表面を覆う透明な角膜が傷つけられた状態のことを指します。原因として外からなんらかの力で傷つけられてしまう外傷、頭部に衝撃を受け眼球内部の圧力によって傷つけられてしまうことなどがあります。角膜炎と同じような軽度な症状から眼球表面に内容物が飛び出る重度のものもあります。

角膜裂傷の特徴として視力低下、眼球の痛み、異物感を感じるなどの症状がでたら注意しましょう。ほっておくと角膜の表面に血管ができ、表面が全体的に白っぽくなることもあります。

治療法にそれ以上症状が悪化しないように治療を行う対症治療、角膜に穴が空き、角膜同士を縫合する角膜縫合、傷が大きくて水晶体が飛び出てしまっている場合は眼球摘出をする治療が挙げられます。

飼い主に出来ることとして普段から何気ない犬の行動をしっかりと観察して、異常がある場合はすぐに動物病院にいくことです。早期発見をすることによって、症状の悪化を最小限に抑えることが出来たり、犬にも負担を与えないような治療も簡単な方法で済むこともあるかもしれません。

犬の角膜裂傷の原因

犬の角膜裂傷は、穿孔性眼外傷の代表的な症例であり、外科的な整復を必要となります。

犬の角膜裂傷の多くは、ガラスに衝突した時や犬同士のけんかで爪や牙などで外傷を負ったとき、また、植物のとげが刺さった時などに見られます。

症状としては、外傷の程度によりますが、眼瞼のけいれん流涙、角膜浮趣、眼やに、前房水の流出、虹彩脱出などが見られます。

診断法は、フルオレスセイン染色試験を行い、上皮に欠損があるかどうかを確認します。また、細隙灯顕微鏡によって三次元的な観察をして、異常の有無を調べます。

角膜裂傷の治療には、外科的に縫合します。虹彩が脱出している場合には、元に戻すか切除します。異物があれば摘出、とげが刺さっている時は、とげを先に抜くと前房水が流出して眼圧が低くなり縫合が困難になるため、縫合してからとげを抜きます。犬のけんかによる外傷では、細菌感染が起こりやすいので抗生物質を投与します。角膜浮腫を起こしている裂傷はつきにくいため結膜フラップを被せて補強します。

犬の角膜裂傷の予防/治療法

まずは創周囲に存在する異物を取り除き、角膜の損傷が酷い場合には瞬膜という目の内側にある膜で一時的に目を覆う瞬膜フラップ形成術などの外科手術が必要になります。創への感染を防ぐため抗菌薬の局所や全身投与を行います。角膜を保護する成分が入った点眼薬を用いることもあります。創の治りがうまくいかないと視力が低下してしまうこともあります。おかしいな?と思ったらすぐに動物病院に連れていきましょう。

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