犬の椎間板疾患の症状
カテゴリー:犬の椎間板疾患
更新日 2020年02月28日
犬の椎間板疾患の症状
ペットの椎間板疾患とは、椎間板が脊髄神経の真下付近にヘルニアを起こし、神経を圧迫している状態を指します。代表的なものとしては後肢の麻痺がおこる「腰椎椎間板ヘルニア」ですが、そのほかにも首に起こる「頸椎椎間板ヘルニア」があります。
「頸椎椎間板ヘルニア」の症状としては、歩き方が硬直したような状態であったり、頭を動かそうとしない、頭を低く構えて首や肩に力が入っているようにみえる、といったものです。痛みがあるため、上記のような症状が発生します。麻痺は腰椎の椎間板ヘルニアに比べれば少ないと言われています。
「腰椎椎間板ヘルニア」は四肢(特に後肢)のしびれや麻痺、強い痛みを伴います。また、大きくわけると以下5つのグレードに症状が分けられます。
<1>腰が痛い
<2>後足のふらつき
<3>起き上がれなくなる。立てない・立たせてあげても自力で歩行できないが前足で這うことは可能
<4>排尿/排便が自分の意思ではできない
<5>足先の骨の痛みを感じない(深部痛覚消失)
犬の椎間板疾患の原因
椎間板疾患とは、椎間板物質が脊髄神経の真下、またはその付近にヘルニアを起こし神経に圧迫が加わった状態のことをいいます。脊椎はいくつもの骨(椎骨)から成って柔軟な構造になっており、そのため椎骨の間にクッションの役割をする椎間板という円板が存在します。これが衝撃によって硬い結晶状へと変化して、脊髄を圧迫することで発症します。原因としては、生まれつきの遺伝でなることもありますが、加齢や、不規則な体勢を取り続けることによって負担が蓄積されることでなることもあります。これは基本的にどのような犬種でも起こり得る病気ですが、遺伝としてはダックスやコーギー、ビーグルなど、胴の長い犬種に起こりやすいとされています。
椎間板疾患の軽い症状は犬が歩行を拒絶する程度ですが、重い症状になると歩行が不可能なほどの肢の麻痺や排便・排泄障害などにまで至ることもあります。また脱出を起こした椎間板が胸腰部である場合は、前肢の神経は影響を受けないため正常なままですが、後肢には様々な影響が現れます。
犬の椎間板疾患の予防/治療法
椎間板疾患の疑いがある子は、飼い主が背中を触ろうとすると嫌がったり、後ろ足がふらふらしたり、いつも登れるソファーやベッドにも上れなくなります。また、抱っこされるもの嫌がったりもするでしょう。時間が経てばたつほど回復まで時間がかかったり、後遺症が残る可能性が高くなります。何か変化がみられたら、様子をみずにすぐに動物病院に連れていきましょう。軽度の場合(グレードⅠ・Ⅱ)は絶対安静と消炎鎮痛剤などの投与で改善することもあります。重度の場合(グレードⅢ~Ⅴ)は手術を行い神経を圧迫している椎間板物質を取り除きます。