犬の小脳障害の症状
カテゴリー:犬の小脳障害
更新日 2020年02月28日
犬の小脳障害の症状
犬の小脳は大脳の後ろに位置し、運動を司る働きがあり病変が出来ると正常な運動・動きが出来なくなります。主な働きとして体のバランスを整える・眼球運動の調整・感覚と運動の連携があり、先天的な異常が多く生後数週間から数カ月以内に発現します。小脳障害の特徴的な症状としてフラフラ歩く・歩幅がバラバラ・すぐによろける・動作の始めに震える・眼球がアチコチ向く・距離感が上手く掴めない(対象物にぶつかったり、皿の水が飲めない)があります。立つ時に体が均整に保てずに、よろける場合が多く姿勢が上手く取れなくなります。
先天性の場合は小脳の未発達などが挙げられますが先天性以外にも細菌感染・小脳の外傷・脳腫瘍・老化による脳の萎縮など後天的な原因もあるので高齢の場合は動きがぎこちなくなったなど加齢のせいにせずに受診して検査する必要があります。
普段から動作がスムーズかどうかだけでもチェックし、高齢になったら動作前に震えがないかチェックするようにします。
犬の小脳障害の原因
小脳障害とは小脳で起こる脳の異常症状です。小脳は運動機能をつかさどる機関なので、り患するとふらつきや歩行傷害、立ち上がりが悪い、ふるえなどの運動機能傷害、さらに距離感がうまくつかめないこともあるので、食事が取りづらくなることもあります。ただ、障害があっても明確な症状が出ないペットもいます。先天性のものと後天性のものの二つが発生原因です。小脳が未熟だと先天的に障害を引き起こします。他の犬と動きが違うので、生後数週間で気づくことができます。ビーグル、サモエド、アイリッシュ・セッター、ミニチュア・プードル、コッカ―・スパニエル、ジャック・ラッセル・テリアなど様々な犬種で発生します。
後天的な原因は病気によるもので、細菌やウイルスの感染、小脳の傷害、脳腫瘍などに続発することがあります。
小脳障害には進行性のものと非進行性のものがあります。非進行性の場合、一旦発生した症状はゆっくり進行するか、ほとんど進行せずに安定した生活を送れることもあります。進行性だった場合、徐々に症状が重篤化していくので注意が必要です。
犬の小脳障害の予防/治療法
小脳障害にはいくつかの原因があり好発品種が見受けられますが、治療法としては他の病気によって引き起こされていることが考えられる場合、まずそれらの病気に対してアプローチをかけます。細菌やウイルスが発見されるとそれらに対して有効な治療法で駆逐を行います。この他にも栄養不足や腫瘍といった原因が考えられるため、あらゆる可能性を試す必要もあります。ただし、老化によって発症することもありますのでその際は体力的に無理をさせてしまう可能性もあり、逆効果となってしまいます。獣医師の判断を参考に、飼い主の判断が命運を握りますので特に高齢になれば日頃の行動の観察が予防法となります。
また、先天的な原因の場合には残念ながら治療法はありません。ですが対処法はあり、例えば階段の上のような高い場所や車や自転車の交通量が多い場所など行かないように運動制限を設けるといった方法です。先天性の場合はいかに危険を回避できるかがポイントとなりますので、飼い主による保護・観察は必要不可欠です。