犬の水腎症の症状

カテゴリー:犬の水腎症
更新日 2020年02月28日

犬の水腎症の症状

水腎症は初期症状があまり出ない犬も多い病気です。そのため症状がかなり進行してからようやく気がつくといったことも多くみられます。
何らかの原因で生成された尿が体外に排泄されずにいると、腎臓に尿がたまり細胞を圧迫します。圧迫することで細胞は壊死し、機能を持たない組織に置換されるためどんどん腎臓の機能を失っていきます。細菌感染を起こし、腎盂腎炎や膀胱炎を生じることもあります。進行すると尿毒症になり命に関わる危険な状態に陥ります。
腎臓が大きくなることによって腹部が膨らんでくることもあります。またそれに伴い痛み伴うので触ると犬が痛がるといった症状を示します。片側だけの閉塞で、水腎症が片側だけに起きている場合は尿も出るため、かなり進行するまでは症状も明らかではありません。

犬の水腎症の原因

犬の水腎症は、尿の流出障害によって腎孟が拡張した状態で、流出障害の部位によって様々な症状や経過があります。水腎症の原因としては、尿路結石や腎虫、血液の固まり、外傷、腫瘍、神経障害、ヘルニア、先天的な奇形、外科手術など、慢性的な尿の流失障害です。

症状千しては、尿管閉塞であれば多くの場合、無症状で推移し、腎孟の拡張によって腎臓が著しく肥大することで、初めて発見されます。

尿路の完全閉塞では、腎孟が十分に拡張する前に尿毒症の症状が見られます。細菌感染を伴うと腎孟腎炎の症状も起こります。

診断検査は、x線造影検査や超音波検査で拡張した腎孟を検査します。腎障害が重度の場合は、静脈内に入れた造影剤が十分にろ過されずx線検査で検出できないことがあります。

治療は、尿の流出障害を取り除く治療を行います。犬の水腎症では、片側の尿管が完全に閉塞した後でも1週間以内に解除できれば糸球体ろ過量は完全に回復、4週間後の解除でも30%回復した結果もあります。しかし、多くの場合、尿の流出障害を完全に取り除くのは困難です。

犬の水腎症の予防/治療法

水腎症の治療は、ダメージを受けた腎臓の保護と尿の通り道を妨げている物質を取り除くことを中心に行います。腎臓の保護は腎不全の場合に準じ、輸液を行ったり、ダメージが重度であれば腹膜透析等も実施します。尿の通り道を妨げている原因には結石、尿路に生じた腫瘍、前立腺肥大、腹腔内に生じた腫瘍など多岐にわたり、用いる薬剤も異なってきます。閉塞を解除し原因物質を調べるために手術を実施することもあります。水腎症の診断は血液検査のほか、レントゲン検査や超音波検査ですぐに診断をつけることができます。何かおかしいなと思ったら、早めに動物病院に連れていき獣医さんに相談してみましょう。

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