犬の免疫介在性溶血性貧血の症状
カテゴリー:犬の免疫介在性溶血性貧血
更新日 2020年02月28日
犬の免疫介在性溶血性貧血の症状
犬の免疫介在性溶血性貧血な症状は、程度によってさまざまみられます。軽度の貧血の症状は、食欲不振になってしまったり、無気力だったり、だるそうにしているなどの症状が多くみられます。免疫介在性溶血性貧血がより深刻になってくると、黄疸の兆候を示して、暗褐色の尿の中に血液の痕跡が見られることがあります。
また、免疫介在性溶血性貧血を発症してしまった犬のほとんどが下記の症状に加えて致死率の高い播種性血管内凝固症候群や血栓が形成されることもあり、形成された血栓が詰まることによる血栓塞栓症を併発してしまうことがあります。その他の症状としてみられるものは、歯肉とまぶたの内側は白または青白っぽく見えるようになったり、脾臓や肝臓の肥大が見られたりリンパ節の肥大等も見られたり、呼吸が早くなったり心拍も早くなったりする事が多くみられます。
犬の免疫介在性溶血性貧血の原因
免疫介在性溶血性貧血は、何らかの原因で自身の赤血球に対する抗体が生成され、血管内や骨髄に存在する赤血球が破壊されてしまう病気です。発症事例は、猫と犬で比較すると猫より犬の方が多く発症します。犬種としてはプードル、コッカ―・スパニエル、アイリッシュ・セッター、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、コリーが発症しやすいとされています。しかし、全ての犬種で発症する可能性があります。犬の性別で比較すると、雌犬の方が雄犬より2倍から4倍程度発症するといわれています。猫の場合、猫の白血病ウイルスの感染に伴って発症することが多いと報告されています。
症状は、一般的な貧血症状に加え、発熱や血尿などといった症状に加え、肝腫、脾腫などが見られます。
原因は原因不明に発症するものから、輸血やある種の薬剤や、細菌やウイルス感染、寄生虫感染に続いて発症することがあります。
犬の免疫介在性溶血性貧血の予防/治療法
免疫介在性溶血性貧血の治療法には、赤血球の破壊を抑える治療としてステロイドの投与や、反応によっては他の免疫抑制剤や抗がん剤を用います。さらに、症状が重い場合には輸血を行うこともありますが、輸血した血液も破壊され、いっそう症状が悪化することもあります。
当疾病の原因は特定できないこともあり効果的な予防法はありませんが、特徴として猫より犬の方が発症率が多いこと、また猫の場合は白血病ウイルスが原因になることも多くあります。犬の場合にはオスよりメスの方が発症率が2~4倍多く、さらにコッカースパニエル、プードル、マルチーズ、セッターの犬種に多く遺伝的な要因も大きいことが挙げられます。そのため、猫では白血病ウイルスの感染にも注意すること、犬の場合には遺伝的観念から当疾病のキャリアが疑われる場合には繁殖を避ける必要もあります。発症すると重篤な場合には致死率も高いので、早期発見および治療が重要です。また再発すると薬の効果が初回より悪くなることもあるので、定期的な血液検査を行うことも重要です。