更新日 2020年02月28日
猫の脳炎・脊髄炎の症状
猫の脳炎・脊髄炎によく見られる症状としては、発熱と発疹が挙げられます。発疹は身体のあちこちにできて痒がることもあります。そして、行動にも異常が見られるようになります。脳に起きている炎症の部位によって異常が出る場所も症状も異なってきます。ふらついたり、転んだりする運動失調や目の動きがおかしく眼球が揺れている眼振や不全麻痺など小脳障害がみられます。さらに炎症が進み悪化してくると、大脳の障害も見られるようになり、発作を起こしたり、痙攣(けいれん)を起こし、記憶障害や盲目のような視覚障害が見られるようになることもあります。 症状は脳の炎症の部位と範囲や程度によって原因が同じものでも様々見られ、個々に違ってきます。
猫の脳炎・脊髄炎の原因
血液と中枢神経(脳と脊髄)の間には「血液脳関門」と「血液脳髄液関門」と呼ばれる関所のようなものがあり、循環血液と脳内の物質の輸送を厳しく選択・制限する機構があります。この働きで細菌やウイルス、真菌や他の毒性のある物質など脳に障害のあるものは通ることができない仕組みになっています。しかし、この関門をすり抜け脳に達し感染したり、免疫系の乱れや免疫力の低下、脳腫瘍などが原因となり、感染を起こしたりします。 大きくわけると原因は非感染性と感染性の二つがあります。 まず非感染性の脳炎・脊髄炎には比較的若い猫におこる原因不明の猫灰白脳脊髄炎がありますが、とても少なく稀に見られる病気です。 次に感染性の脳炎・脊髄炎の原因ですが、ウイルス性、原虫性、リケッチア性、真菌性、細菌性、その他に分類されています。猫伝染性腹膜炎(FIP)のコロナウイルスを原因としたものや猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症、パルボウイルス感染症などのウイルス性のものや、トキソプラズマ症のような原虫性のもの、クリプトコッカス症やアスペルギルス症などの真菌性原因などが挙げられます。
猫の脳炎・脊髄炎の予防/治療法
治療のために血液検査や脳脊髄液検査や画像診断など詳しい精密検査によって原因を特定することが重要です。非感染性のと感染性のものでは治療の方向が変わってきます。非感染性であれば、抗炎症剤の治療がメインになりますが、感染性の場合は、真菌性であれば抗真菌薬を投与したり、細菌性では抗生剤を使ったりと使う薬も違ってきます。ただし、猫伝染性腹膜炎や猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症などに関しては根本的な治療方法がありません。さらに、症状が悪化しないよう、発作があれば抗痙攣薬など症状に合わせて対症療法も行います。脳炎は初めの頃は風邪のような感じでなので、大丈夫かなと様子を見ていると硬直や発作があってあわてて病院へ駆け込むケースが多く、発熱や発疹、か痒みなど何か当てはまる症状がるようであれば早めに受診することを心がけましょう。 この病気の予防法は原因となる病気に感染しなように室内飼育にしたり、衛生面で気を配ったり、定期的なワクチン接種で防げるものは予防しておきましょう。
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