猫の水頭症/水痘症の症状

カテゴリー:猫の水頭症/水痘症
更新日 2020年02月28日

猫の水頭症/水痘症の症状

先天的な原因の場合は子猫にみられ、周囲の刺激に対する反応が乏しい場合や過度の興奮や攻撃的であったり、昏睡するなどの意識障害や痛みを感じない程度の刺激でも痛みや不快感がみられるような知覚過敏や全く痛みを感じない無感覚のような知覚障害、同じ場所でグルグルまわるような行動異常や痙攣(けいれん)、物にぶつかるなど視力障害、立てない、歩けない、真っすぐ歩こうとしても偏ってしまうような運動失調など様々な症状が見られます。他にも、食欲の不振や過食など脳の制御機構が機能せず全身の症状が現れることもあります。また、外観上脳脊髄液が過剰に貯留するため頭がドーム状に膨らんだりすることもあります。

猫の水頭症/水痘症の原因

脳脊髄液は産生と吸収を繰り返しながら脳と脊髄を循環している液体です。脳や脊髄を浮かべて衝撃から守り、栄養補給や不要物の除去の働きをしていますが、脳脊髄液の流れる通路が閉塞してしまったり、吸収されず残ってしまったり、頭蓋(ずがい、とうがい:頭の骨)の奇形などが原因となり過剰に溜まってしまうことで引き起こされるものと考えられています。後天的な原因としては外傷や脳室内出血、感染症、脳腫瘍など脳脊髄液の循環を妨げるものが挙げられます。                              

猫の水頭症/水痘症の予防/治療法

水頭症は先天性の原因の場合に明確な予防法がなく、また、後天性の場合でも明確な治療法がないため根治の難しい病気です。基本的には、症状の軽減を目的とした対症療法がメインとなります。              具体的にはグルココルチコイド(副腎皮質ホルモン)や炭酸脱水素酵素阻害剤により脳脊髄液の産生を抑制したり、脳内の圧力を下げるために降圧利尿剤で体内の水分を尿として体外へ出すよう促したりします。さらに痙攣(けいれん)があれば、抗痙攣薬を使用したり、症状に応じて緩和することを目的としています。また、外科手術で過剰な脳脊髄液をお腹の中や心臓のそばの太い血管に流すよう細いチューブを用いて頭以外の場所へ流すためのバイパス手術(シャント形成術)もありますが、精密検査の結果次第では対応できないケースもあります。さらに外科手術を行っても根治は難しく脳圧が上がらないよう軽減することを目的としたものとなります。                                    まだ若いから大丈夫と思わず普段の動作に気になることがあれば、また、意識障害や運動障害が現れた場合は早めの受診が大切です。

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