猫の慢性腎不全の症状

カテゴリー:猫の慢性腎不全
更新日 2020年02月28日

猫の慢性腎不全の症状

腎臓は老廃物をろ過機能に加えて、ホルモン物質の産生や調節にも関わっているので様々な症状が現れます。                   初期の段階では、お水をよく飲みおしっこの量が増えます(多飲多尿)がこの段階では大きな変化はなく症状がほとんどみられないので病気を発見することが難しいです。                        
病気が進行し中期になってくると、多飲多尿に加え食欲不振、体重の減少や毛つやが悪くなったり、貧血、高血圧、間欠的な嘔吐がみられるようになります。                                   更に進行して重度になってくると、重度の体重減少、食欲不振、頻繁な嘔吐、下痢、重度の脱水や貧血、神経症状など様々な症状がみられるようになります。                                          

猫の慢性腎不全の原因

さまざまな基礎疾患の進行によって発症します。              
具体的には糸球体腎炎や尿細管疾患、間質性腎炎、腎盂腎炎などの腎疾患や、家族性(アビシニアンとパルシャ)・先天性疾患(腎低形成・異形成、のうほう腎)、血管疾患、高カルシウム血症、ビタミンD過剰症、感染症(猫伝染性腹膜炎やレプトスピラ症など)、腎毒性物質などが原因となります。

猫の慢性腎不全の予防/治療法

慢性腎不全は残念ながら、病気そのものを治すことはできません。放っておくと徐々に悪くなるので、病気の進行を抑えることが大切です。   主に基礎疾患の治療と症状の軽減を目的とした内科的な対症療法が施されます。                                      例えば老廃物が排泄されず体内に溜まっている状態(高窒素血症)の改善のため、窒素化合物を吸着させる薬剤の投与であったり、点滴を行い残った正常な腎機能に尿を作ってもらい体外への老廃物への排出を促します。ただし、残った正常な腎臓機能が少なく点滴をしても尿が作られないような場合には腹膜灌流(:ふくまくかんりゅう、お腹に灌流液を入れ時間をおいて回収する)、血液透析(血液を回収して老廃物をろ過して戻す)など治療法もあります。                            また必要に応じて、腎臓におけるホルモン産生量が低下し貧血を起こしている場合にはホルモン(エリスロポエチン)を人工的に投与したり、高血圧に対して降圧薬や体内のミネラルバランスの崩れを補う薬など投与が行われます。                                   さらに食事療法も重要となります。タンパク質とミネラルがバランスよく制限された処方食によって行われます。基本は低タンパク、低ナトリウムが理想とされています。現在は猫の腎不全に特化した療法食も様々販売されていますので、担当獣医師にご確認下さい。 重症化し他の治療が効かなくなってしまった場合、人では腎移植という方法がありますが、動物は現在ごく少数の機関でしか行われておらず現実的とは言えません。 予防としては、若い時より腎臓に負担をかけないよう心がけることが大切です。食事は人が食べるものや味の濃いものは避けて、バランスのとれた食事を与え、水もしっかり飲めるように環境を整えたりしましょう。    もちろん普段より注意して心がけていても高齢になると慢性腎不全になってしまうことがありますので、定期的な診察を欠かさないようにしましょう。

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