犬の急性肝不全の症状

カテゴリー:犬の急性肝不全
更新日 2020年02月28日

犬の急性肝不全の症状

犬の急性肝不全の原因は、重い貧血や血中の酸素が少なくなること、お腹に傷をおっているなどがあります。また、毒物や薬物や感染症が原因でなることもあります。

犬の急性肝不全にかかると食欲が落ちたり、嘔吐や下痢、黒い便をするなどの症状がでます。また、元気がなくなって落ちこんだ状態になります。熱をだしたり黄疸になることもあります。

入院をして、数日間かけて治療をしていきます。基本的な治療法法は、食事を与えず点滴を打つことです。この点滴には、ビタミンなどの栄養成分も含まれています。そして、解毒薬や抗生剤物質を投与していきます。数日の間、症状が落ち着くまで点滴と薬の投与を続けます。

場合によっては、肝臓に膿が溜まっていることがあります。そのときは、手術をおこなって膿を取り除きます。膿の量が多くて1回で取りきれない場合は、チューブなどを使って取り出していきます。

また、急性肝不全の原因になった症状の治療も、同時におこなっていきます。

犬の急性肝不全の原因

犬の急性肝不全は銅やヒ素、水銀などの化学物質や鎮痛薬や麻酔薬、ホルモン薬などの薬物、キシリトールなどの毒物や寄生虫が原因となることがあります。犬アデノウイルスI型のようにウイルス感染が原因でおこる犬伝染性肝炎によるものもあり、感染している犬の分泌物である尿や便、唾液などにウイルスが含まれ、直接あるいは間接的にほかの犬と接触することが感染要因です。

ほかにも、レプストピラ症のような細菌感染が原因となることもあり、最大の感染源はネズミです。ネズミは感染しても症状がでないため生きている間、尿からレプストピラ菌を垂れ流し続けることになります。その尿や尿の混じった水などを飲んだりすることで犬も感染し、急性肝不全をおこすことがあります。

急性肝炎では肝臓の細胞が障害を受けることになりますが、肝臓の障害が重度になり機能不全になることが急性肝不全を起こす原因です。

犬の急性肝不全の予防/治療法

肝臓は様々な化学物質を解毒する働きをしています。体内に入ってきた薬物の影響を受けやすい臓器です。また、血液を固めるための物質や栄養分を運ぶ物質など、生体の維持に必要な様々な物質を産生している臓器でもあるため、急性肝不全で肝臓の機能が低下したときは様々な症状が現れます。肝臓はタンパク質の分解産物であるアンモニアを解毒していますが、肝不全の時は解毒がうまくいかず蓄積され、神経症状が出ることがあります。その時はラクツロースというアンモニア産生を抑える薬剤を投与したり、アンモニアを解毒するのに必要なアミノ酸製剤を投与します。電解質に異常が出ているときは点滴に電解質を調整する薬剤をいれて補正します。腹水がたまっている場合、急速に大量に抜くと血圧が一気に低下し危険なので診断のために少量抜くか、あまりに多量で呼吸しにくくなっている時にかぎり、適当な量を抜去(ばっきょ)します。血液を止めるための凝固因子が不足し出血傾向にあるときは輸血も行います。腸内細菌が全身にまわり敗血症を起こすことを防ぐため抗菌薬の投与も行います。早期発見・治療が重要なので、様子がおかしいな?と思ったらすぐに動物病院に連れていきましょう。

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