猫の心筋症の症状
カテゴリー:猫の心筋症
更新日 2020年02月28日
猫の心筋症の症状
猫の心筋症の症状は、病気を発症してから数年の間は無症状と言われており、ある程度進行している状態でないと自覚症状が現れないため、病院での健康診断などで発見する場合が多くあります。症状としては、まず食欲不振や元気のなさが現れ、運動などを嫌がるようになったり、興奮するとすぐに息が上がるようになったり、ご飯を食べているのに痩せてきたりします。また、ひどくなると、咳や足下のふらつきや呼吸困難などが現れ、舌や歯茎の色が青くなるなどのチアノーゼを起こすケースもあります。
この病気では、心臓内に血栓が出来てしまう事もあり、血栓が動脈内を流れだし、末端の動脈で詰まってしまう恐れが起こります。発症箇所は後ろ足などが多く、血行不良により歩き方がおかしくなったり、突然歩けなくなり、その後、後肢麻痺が起こり、痛みにより暴れる場合もあります。また、この血栓は、その他の臓器の動脈に詰まる事もあり、詰まった場所で大きな障害を発症させます。
猫の心筋症の原因
心筋症は、心臓を動かす筋肉に異常が起こり、心臓のポンプ機能が損なわれる病気の総称です。猫の場合も「肥大型」「拘束型」「拡張型」の3タイプがあり、主に左心室に好発します。共通する症状は、全身に血液を循環させられないことによる元気の消失・食欲不振、心臓が巨大化することによる呼吸困難や腹水、血流が滞って動脈(腸骨動脈)に血栓ができることによる後肢麻痺です。また、心臓機能低下によって血圧も下がるため、歯茎を色が白くなるまで押し、血流が戻って赤みを帯びるまで2秒以上かかります(キャピラリテスト陽性)。
心筋症の詳しい発症の原因はわかっていません。現段階でわかっている点を挙げると、肥大型は猫種(アメリカンショートヘアなどの短毛種やペルシャ、メインクーン)、年齢(6~10歳に好発)、性別(オスに多い)がリスク因子となります。拡張型はタウリン不足がリスク因子として大きく、特定の猫種(シャム、アビシニアン)も発症しやすい傾向があります。拘束型は他の2型と併発することも多く、老齢の猫に起こることが多いです。
猫の心筋症の予防/治療法
心筋症は病状により、「肥大型」、「拡張型」、「拘束型」の三種類に分けられます。根本的な治療法はないため、それぞれの症状によって異なる治療法を用いて症状を緩和させます。肥大型の場合は、基本的には薬の投与によって症状の悪化を防ぎます。並行して、肺水腫を併発している場合は利尿剤等を用いて治療したり、血栓を溶かす薬を投与する場合もあります。
拡張型の場合は、血管拡張剤、利尿剤、強心剤等を投与することで心機能の回復を図ると同時に、血栓を予防するための治療法が取られます。また、タウリンの不足が一因となっているため、タウリンを十分に含んだ食事をとるようにします。
拘束型の場合は、血管拡張剤や血栓を予防するための薬を投与し、安静を保つことで病状の悪化を防ぐという治療法が取られます。
心筋症の原因は明確には判明してしないため、予防法がありません。少しでも症状が見られたら病院へ行き早期発見、早期治療を心掛けることが重要です。