ペットの腎不全の症状

カテゴリー:ペットの腎不全
更新日 2020年02月28日

ペットの腎不全の症状

腎不全には、急性と慢性の二種類あります。
急性腎不全では、食欲不振、吐き気、嘔吐がみられ、さらに血尿、乏尿、無尿がおこります。またその症状は数時間から数日のうちに急速に悪化するため、的確な治療が獣医師によって行わなければ短期間のうちに死亡する可能性が高くなります。
慢性腎不全は、四期にわけられ、数年以上の長い年月をかけて症状が悪化していきます。最初の第一期は全くの無症状であることが多く気付くことは困難です。第二期になると水をかなりたくさん飲むようになりますが、他には特に変わった様子は見られないことが多いため、ここでも治療が遅れることが多いです。第三期になると、食欲不振、明らかな体重減少、頻繁な嘔吐、また貧血などがみられ、元気がなくなります。最後の第四期では、尿毒症による嘔吐、下痢を始め、けいれんなどの様々な神経症状を表すなど、大変生命の危険な状態になります。
このような慢性の腎不全では一度低下した腎機能の回復は望めません。

ペットの腎不全の原因

急性腎不全は、原因となる部位がどこかによって次の3つに分けられます。腎臓自体は正常ですが、出血、脱水、心不全、血管収縮薬や拡張薬の過剰な投与などで、腎臓に流れ込む血液の量が少なくなることで起こる腎前性のもの、急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、毒物などによって腎臓自体に異常が生じ、障害されることにより起こる腎性のもの、尿管、膀胱、尿道の炎症や閉塞などによって、腎臓で作られた尿を体外へ排泄するための経路が閉塞したことで起こる腎後性のものがあります。
慢性のものは、糸球体腎炎やアミロイドーシス、腎盂腎炎などの腎臓疾患によって、血液を濾過して尿をつくる器官であるネフロンが少しずつ破壊されていくことで生じます。水腎症、糖尿病、間質性腎炎など、あらかじめ保有している病気によって引き起こされることもあります。

ペットの腎不全の予防/治療法

腎不全に対する治療は対症療法が中心です。
一過性な腎障害による機能不全であれば回復する可能性がありますが、一般的には腎機能低下は不可逆的と言われています。
しかし投薬や療法食により残った腎臓の機能を維持しながら長く生きることも可能なため、治療の目的を「完治」ではなく「維持」ととらえることが重要です。
また、この病気は脱水と食欲低下で一気に進行するとも言われており、気をつけたい点でもあります。
脱水が進むと腎臓がうまく機能しなくなる為、治療として輸液点滴をします。急性期には静脈に直接24時間点滴を3日ほど行い、ある程度安定してきたら皮下点滴へと切り替えていくのが一般的です。
投薬は対処法で、その時の症状により違いますが、サプリメントも活用されています。

腎不全の原因ははっきりわかっていないため予防は難しいのですが、加齢による腎機能の衰えや尿結石や感染、炎症といった泌尿器系疾患が背景にあって続発するケースが散見されます。
泌尿器系の持病がある場合、ペットが高齢になった場合には普段から水を飲む量や尿の回数(量)に変化がないか、常日頃チェックするようにしましょう。

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