更新日 2020年02月28日
猫の熱中症/日射病の症状
熱中症の症状は、40℃以上の急激な体温上昇にともなって、口を開けて呼吸して、よだれを口から流します。そして、悪心(おしん:むかつき)や嘔吐、下痢やふらつきなどが見られます。さらに進行すると、神経症状が見られるようになり失神や筋肉のふるえ、痙攣(けいれん)、意識が混濁して呼びかけにあまり反応しなくなったりします。さらに重篤になると播種性血管内凝固(DIC:全身の出血傾向が生じたもの)を起こし吐血や血便、血尿といった全身からの出血が見られたり、充分な酸素を体に取り込めずチアノーゼ(循環血液が低酸素状態で口や眼の粘膜が暗紫色になること)が見られたりし、腎臓や心臓、肺など主要な生命維持に重要な臓器の機能が障害され多臓器不全によりショック状態へと進んでしまい命に関わる危険性があります。
猫の熱中症/日射病の原因
猫は本来暖かい所を好む動物ですが、人と異なり汗腺は少なく、発汗によって体温を下げることができません。そのため体温が急激に上昇すると、体にこもった熱を下げることが難しくなります。熱中症を引き起こす主な原因は、夏場など高温下での閉めきった部屋、車内、キャリーケースでの移動時など狭く蒸し暑い場所に置かれることです。また、肥満気味の猫では、皮下脂肪が断熱材の役目をして体に熱がこもりやすく、かなり肥満している猫では首周りの脂肪が気管を圧迫したり、内臓脂肪で胸腔が狭くなり呼吸機能が低下していて、熱中症になりやすい傾向があります。他にもペルシャなど鼻のつまった短頭種の猫も体の構造上、呼吸がしずらい傾向があり熱中症になりやすい傾向があります。さらに、子猫や老猫は体の生理機能が未発達であったり、衰えていたりして体温調節が上手くできず、暑さに弱く熱中症になりやすいので注意が必要です。
猫の熱中症/日射病の予防/治療法
熱中症の症状が見られる時には、まず、自宅で応急処置として、とにかく体を冷やすことが大切です。風通しのよい涼しい場所に猫を移動させて、急いで体を冷やし、体温を下げるようにします。冷たい水で濡らしたタオルで包んだり、大きな動脈の走る首や脇、股に氷枕や保冷材をあてて、体温を急いで下げます。この時急いで下げるため、体温が下がりすぎないよう注意して下さい。そして、猫の体を冷やしながら動物病院に連絡を取り、できるだけ早く病院で診断と治療を受けるようにしましょう。 予防するためには、室温と湿度を注意することです。家で留守番させる場合には、窓を開けて風通しの良い状態にします。窓が開けられない場合や窓を開けていても風通しが悪い、風がない日などであればエアコンで除湿機能や微風機能などで気温が下がりすぎないようにして利用し、クールマットなど小物も合わせて利用するのも良いでしょう。合わせて、排尿することでも温度が下げられるので、水をたっぷり用意して、トイレも使いやすよう清潔にしておくとよいでしょう。また、猫と出かけるときは、車内の換気とキャリーケース内の温度に気をつけて、直射日光が当たらないよう注意しましょう。
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