更新日 2020年02月28日
猫の口内炎の症状
口内炎になると口腔内に炎症や潰瘍(粘膜面の組織が欠損した状態)ができるため強い痛みを感じ、食べたいのに食べられない状態となり食欲が低下してきます。 最初の頃は食欲が少し落ちてきたとか、いつもより軟らかい食事を好んで食べたり、食べるときに首を傾げて食べていたり、口が少しにおうといった症状です。さらに口内炎の症状が進むと口腔内は真っ赤に腫れ、糜爛(びらん:粘膜表面のただれ)や潰瘍がみられ、痛みが増してきます。進行してからの症状は、お腹は空いているので食事の臭いをかいだり食事の前で口をつけず見つめているような行動がみられたり、口臭が強まり、粘り気のあるよだれを常時たらし、血が混じることもしばしば見られるようになります。粘り気のあるよだれのため口の周りや、前足がいつも汚れていたり、痛みのためグルーミングもできなくなり、なかには性格が強暴になったりする猫もいます。また、歯肉炎をはじめとする歯周病や歯槽膿漏(しそうのうろう)などが一緒に見られることが多いです。
猫の口内炎の原因
口内炎の原因は様々あります。電気コードを咬んで感電したり、植物や骨、ひもなどいたずらして口腔内につくった傷で口内炎が起こることがあります。他にも乳歯が抜けず残っていたり、歯並びや咬み合わせが悪く歯石・歯垢がたまりやすく口腔粘膜を傷つけてしまうことで起こすこともあります。また、全身的な疾患に続発して発症する場合があります。猫白血病ウイルス(FeLV)感染症や猫免疫不全(エイズ)ウイルス(FIV)感染症や糖尿病、腎不全による尿毒症などによって免疫力が低下し口腔内では健康な場合感染症を起こさない病原性の弱いものが引き起こす感染症(日和見感染:ひよりみかんせん)が起こり口内炎を起こしやすくなります。さらに、猫の場合は猫のカリシウイルスの感染自体が原因となり、口内炎や舌炎のほか、口腔内や舌、口唇部(口の周り、くちびる)に潰瘍を起こします。他にも口内炎を起こす病気として知られているのは、自己免疫性疾患や腫瘍、リンパ球形質細胞性歯肉炎などありますが、詳しい原因の解明はされていません。
猫の口内炎の予防/治療法
まず、原因となる病気があればその病気の治療を行います。また、軽症であれば、口腔内を洗浄・消毒、抗生物質や抗炎症剤など必要に応じて投与して内科的治療を行います。重度の場合には全身麻酔下での歯垢・歯石の除去や抜歯をして口腔内の清浄化を目指します。その他にも、炎症部位にレーザーを当てたりすることもあります。 口内炎の予防には口腔内を清潔に保つことが最も大切なこととして挙げられます。小さい頃より歯ブラシやフィンガーブラシなどデンタルケアができるように習慣化して、歯垢・歯石が付着しないよう気をつけましょう。成長してからでも、指に軟らかい布やガーゼを巻きつけ食後に歯のあたりを拭うだけでも効果はあります。食事も缶詰やパウチなど軟らかいものと比べてドライフードは歯垢の沈着を遅らせると言われています。 また、定期的な動物病院での原因となるウイルスのワクチン接種を受けるようにし、さらに口も含め全身の健康診断を受けて、口内炎の早期発見と治療の心がけましょう。
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