猫の椎間板ヘルニアの症状

更新日 2020年02月28日

猫の椎間板ヘルニアの症状

通常では脊椎の間に収まっている椎間板が変位して脊椎を圧迫して炎症を起こすため、これに伴い痛みが出てきたり、四肢に麻痺を起こしたりします。しかし明らかな脊髄圧迫が起きる猫の椎間板ヘルニアはまれです。
重症例では足に力が入らず、全く立てなくなる場合があり、その場合は飼い主さんの介護が必要となります。自力で排泄が不可能となるため、飼い主さんも獣医師の指導のもと排泄の手伝いを行う必要が出てきます。
痛みだけで震えてしまい、立てなくなるだけでなく、全く動けなくなってしまい、丸くなってうずくまってしまう猫もいます。ご飯を全く食べられず、トイレにも行けなくなってしまう猫もいます。足の甲を地面に擦り付けるような形で歩くナックリングと言われる歩き方をしてしまうこともあります。

猫の椎間板ヘルニアの原因

猫の椎間板ヘルニアは比較的まれですが、交通事故や高所からの落下などの外傷や、10歳以上の高齢猫での加齢による骨や関節の弱りや、コラーゲン組織の弱体化によって発症する可能性があります。
品種改良されている猫の場合には、潜在的に椎間板ヘルニアになりやすい場合があります。特に足が短くて胴体が長い品種のものが背骨に負担が掛かりやすいため発症する可能性があります。

猫の椎間板ヘルニアの予防/治療法

症状が軽度であれば、安静を図り、非ステロイド系の薬や抗炎症薬を使って痛みに対する対処を行います。重症例では、神経を圧迫している椎間板物質を手術を検討しますが、それでも症状が完全に改善せず麻痺が残るケースもあります。
神経症状が膀胱や直腸に及んでいると、自力排尿や排便が困難になる場合があるため、介助が必要になる可能性があります。またどうしても運動機能が戻らなく、生活に支障が出ているというときには、車いすを猫に取り付けることを行い、日常生活が楽に送れるようにしてあげ、猫自身の負担を少しでも減らしてあげるようなことを行っていきます。