ペットの糖尿病の症状

更新日 2020年02月28日

ペットの糖尿病の症状

糖尿病の初期段階の症状は、食欲が増え、たくさん餌を食べているのに体重が増加しない、水をたくさん飲む、それに伴っておしっこの量が増えるなどがあげられます。血液中の糖を細胞がうまく吸収することができずに尿として排出してしまうため、エネルギー不足、脱水気味となるためにこのような症状がみられるのです。
また、症状がさらに進行すると、次第に体重が減り、食欲も減少してきます。また、ケトン体と呼ばれる酸性物質が体内に蓄積し、体液が酸性に傾くケトアシドーシスという危険な状態になってしまう場合もあります。重度のケトアシドーシスの場合には、マニキュアの除光液のようなにおい(アセトン臭)がするのが特徴です。また、下痢や嘔吐をしたり、意識障害を起こしてふらついたりすることもあります。ひどい場合には昏睡状態に陥ることもあります。
また、糖尿病が深刻化すると、腎障害や脂肪肝などの肝疾患のほか白内障や網膜症、歯周病を併発することがあり、黄疸がみられることもあります。

ペットの糖尿病の原因

糖尿病は、インスリン依存型とインスリン非依存型に分けられ、それぞれによって原因が異なります。

インスリン依存型は、慢性膵炎、アミロイドーシス、遺伝的な要因や先天的な異常でインスリンを分泌している組織が破壊され、体に必要な十分な量のインスリンを生成できなくなることが原因です。
インスリン非依存型は、肥満やストレス、食事を大量に早食いすることや運動不足と言った生活習慣や、年齢による基礎代謝の低下、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、慢性的な炎症疾患等の基礎疾患が原因となる場合が多いです。
その他にも、副腎皮質ステロイド、黄体ホルモン等の薬にはインスリンの働きを弱める作用があるため、原因となることがあります。

上記の原因により、脾臓から分泌されるインスリンの量が少なくなったり体のインスリンに対する反応が悪くなることで、必要な糖分を取り込めなくなり血糖値が異常に高くなることが原因となって糖尿病が発症します。

ペットの糖尿病の予防/治療法

肥満とインスリン非依存型の糖尿病は関連が言われていますので、適切な食餌と運動で肥満を防ぐことが予防となります。

糖尿病の治療は、インスリンを皮下注射するインスリン補充療法と食事療法があります。食餌療法は繊維を含んだ食事を与え、食後の糖分の変動を少なくすることが目的となり、病院で処方される処方食を使います。