犬の白内障、その治療法は?

更新日 : 2020年04月01日

出典:PIXTA

白内障手術の日帰り入院という話を聞いたことがあるかと思いますが、犬では簡単に治療できるものではなく完治が難しい病気です。犬は嗅覚が発達しているため、視力が弱くても生活に不自由しないことがあります。飼い主さんが気づいた頃には白内障がかなり進行していたということは珍しくありません。

犬の白内障とは?

物が見えるのは、表面にある角膜から水晶体(レンズ)を通り、奥にある網膜に画像が届くことで脳がその物を判断するというシステムがあるからです。白内障は、レンズの部分が白く濁って網膜に画像が届かなくなった状態のことで、先天性、後天性に大きく分けられます。

白内障、2つの原因

1:先天性白内障
生まれつき白内障を患った状態で、遺伝的なものや母犬が妊娠中に感染症にかかったり毒物を摂取した事などが原因とされています。

2:後天性白内障
遺伝的なものもありますが、外傷性、他の目の疾患からの続発性、糖尿病などの代謝性、加齢性などがあります。

<若齢性の場合>
特に6歳位までに発症したものを若齢性といい、進行が比較的早いことが多いです。若齢性の中では改善して視力に影響しないタイプのものもありますので獣医さんとよく相談されると良いでしょう。

<加齢性の場合>
加齢性の白内障で進行が遅い場合、犬は室内の家具などの位置や散歩コースに何があるかを覚えているので物にぶつかることなく走れたり、トイレや水飲み場に難なくたどり着けたりします。

どんな治療が行われる?

完治には手術が必要になりますが、白内障の状態、進行具合によっては手術ができない場合もあります。また、糖尿病や網膜などに疾患があると手術しても視力が戻らない場合もあるため、手術できるかどうかの検査が必要になります。術後に点眼薬を複数回する必要があったり、犬が目を触らないように気をつけることも大切です。

獣医師からのアドバイス

手術には専門的な技術や機械が必要であり費用が安くないのといった難点もあります。いっぽう、点眼薬やサプリメントもありますが、効果は進行を遅らせるというものであり、完治は困難といえるでしょう。

大切なのは早期発見。そういう意味で、犬を呼び寄せるときに、途中に障害物を置いて引っかかるかどうかを見たりすると視力の低下に気がつくかもしれません。

その他おすすめのコラム

ワンちゃんの吠え癖が治らないのには理由があった!

2020年04月01日

犬が、いつどのような時に吠えているか知っていますか?吠えるたびにただやみくもに「ダメ!」と怒っても実はあまり効果がありません。 今回は犬が吠える原因と対策について、獣医師に詳しく解説して頂きました。 続きを読む

誤飲誤食に注意!放置すると怖い犬の胃腸炎!

2020年04月01日

胃腸炎とは、胃や腸において何らかの原因により炎症を起こしている病気です。一時的なもので自然に軽快するものもありますが、寄生虫が原因になっているものではきちんと治療しないと治らないこともあります。 今回は犬に胃腸炎や下痢や嘔吐を引き起こす原因について、獣... 続きを読む

人より重い?犬の熱中症で怖い後遺症とは?

2020年04月01日

人間だけではなく、犬もじつは熱中症になりやすい、というのをご存知でしたか?激しい体温上昇により、人間よりも重篤な症状を引き起こしてしまうとか…。特に、太っている犬は、苦しい症状や後遺症が続く可能性があるので注意が必要、とのこと。 そんな犬の熱中症を... 続きを読む

犬のカットやシャンプーの失敗しない方法は?頻度や注意点

2020年09月01日

まだまだ暑い日が続きますね。   高温多湿の季節は皮膚炎などの病気が増える時期ですが、おうちでのカットやシャンプーで皮膚を清潔に保つことでリスクを減らすことができます。   今回は、おうちでできるケア方法についてご紹介します。   目次 ... 続きを読む