もしも愛犬が「椎間板ヘルニア」になったら……その治療法は?

更新日 : 2020年04月01日

出典:PIXTA

「椎間板ヘルニア」と聞くとヒトに発症するものを想像しがちですが、実は犬でもこの病気にかかる可能性があるのです。今回は犬の椎間板ヘルニアについて、その原因や治療法を獣医師に聞いてみました。

症状が軽い場合は「内科的治療」を

犬の椎間板ヘルニアの治療は症状によってさまざまですが、大きく分けて内科的治療外科的治療があります。

内科的治療は、症状が軽い場合や脊髄の圧迫が少ない時に行われます。ただし、ダックスフントやフレンチブルドック、コッカースパニエルのような軟骨異栄養犬種(軟骨に変性が生じやすい犬種)はです注意が必要です。このような犬種は症状が軽くてもCT検査をすると脊髄圧迫が酷かったり、一気に進行して歩けなくなる可能性があるので注意しましょう。

症状が重くなると「外科的治療」が必要

内科的治療は再発する可能性があり、ケージレストで安静にしていても症状が治まらない、もしくは悪化して、感覚がなくなったり運動機能が低下したりする重症の場合は、外科的治療の方が、治療成績がよいです。

外科的治療とは、椎間板物質が飛び出して脊髄を圧迫している部位を特定し、取り除くことです。脊髄増影やMRI検査、CT検査などで事前に検査をすることで、手術成績が上がります。

獣医師からのアドバイス

犬の椎間板ヘルニアの治療は、絶対安静が基本です。数週間、狭いケージから一歩も出さずに安静に過ごす「ケージレスト」という方法で行います。散歩も連れていってはいけません。トイレも同じ場所で行い、絶対に歩かせないようにしてください。家でできない場合は、入院させましょう。

あわせて、消炎鎮痛剤を内服したり、深部を温め痛みを和らげ神経の回復を促すレーザー治療をすることもありますが、基本はケージレストです。これがきちんとできてはじめて、内科的治療が効果を発揮します。

その他おすすめのコラム

気づいてあげたい、犬の尿結石の4つサインとは?

2020年04月01日

尿結石というと人間だけの病気と思っていませんか?膀胱環境の悪化や体質など理由はさまざまですが、実はワンちゃんにもみられる病気なのです。 尿結石が出来ることにより、排泄の際に痛みが生じたり、通過障害が起こることによって尿毒症など死の危険もある障害が起... 続きを読む

猫の"おトイレそそう"を治す方法とは?

2020年04月01日

どんなにかわいい猫ちゃんであっても、そそうは頭の痛い問題ですね。原因はさまざまですが、やり方次第で改善することができます。どんな場所にしてしまって困っているのか、まずはそそうをしてしまう条件などを分析しましょう。原因や解決方法を見つける近道になるかもしれ... 続きを読む

犬のアレルギー性皮膚炎、その治療法は?

2020年04月01日

完治を目指す病気ではなく、できるだけ痒みと炎症のない状態をつくってうまく付き合っていくことが治療の目的となる病気だという、アレルギー性皮膚炎。そのため、飼い主の理解と努力が治療には重要になってきます。 今回は、複数あるアトピー性皮膚炎の治療について... 続きを読む

猫ってやっぱりネズミが好物なの? 猫とねずみの関係

2020年04月01日

漫画やアニメ、絵本などにもネズミを捕る猫の話はよく目にします。また、ネズミ捕りのために猫を飼うという人もいます。ネズミの猫用おもちゃもたくさんありますね。猫は本当にネズミが好物なのでしょうか? 今回は猫とネズミの関係について、獣医師に解説していただ... 続きを読む