獣医に聞いた! “吐き方”から分かる猫の病気を知っておこう

更新日 : 2020年04月01日

出典:PIXTA

毛づくろいをする習性がある猫は、ざらざらした舌で体を舐めてキレイにします。抜けた毛を飲み込み胃の中で毛玉になると、それがお腹にたまり吐き出すことがあります。これが「生理的な嘔吐」です。長毛種は週に2~3回、短毛種は月に1~2回のペースで毛玉を吐き出しますが、これは猫の習性ですので、吐き出したあと元気であったり、食欲がいつも通りあれば心配ありません。

では、吐いたものに血が混じっていたり、勢いよく吐く場合はどうでしょうか。そこには、重大な病気が隠れている可能性があります。注意したい猫の病気について、獣医師に解説してもらいました。

“生理的な嘔吐”と“病的な嘔吐”の違い

毛づくろいをする習性がある猫は、ざらざらした舌で体を舐めてキレイにします。抜けた毛を飲み込み胃の中で毛玉になると、それがお腹にたまり吐き出すことがあります。これが「生理的な嘔吐」です。長毛種は週に2~3回、短毛種は月に1~2回のペースで毛玉を吐き出しますが、これは猫の習性ですので、吐き出したあと元気であったり、食欲がいつも通りあれば心配ありません。

では、吐いたものに血が混じっていたり、勢いよく吐く場合はどうでしょうか。そこには、重大な病気が隠れている可能性があります。注意したい猫の病気について、獣医師に解説してもらいました。

猫が見せる異常な嘔吐を見逃すな!

【1】吐いたものに血が混じっている
血が混じっている場合は、食道や胃などの消化管からの出血が考えられます。

【2】連続して吐く
一度吐いて、吐き出すものがなくなっても吐き続けている場合は、胃腸の炎症や異物等の何らかの原因による腸閉塞などが起きている可能性があります。

【3】食後すぐに食べたものを、そのままの形で吐き出す
急いで食べすぎた、もしくは先天的であったり何らかの消化管の構造異常などを含む重い病気の可能性があります。吐いたあと食欲があり、吐いたものを食べたりできるなら心配ありません。病気の場合は、巨大食道症や狭窄、胃の出口の異常などがあるかもしれません。

【4】吐いたものから便の臭いがする
食べてから半日くらい経ってから吐き、吐いたものから便の臭いがしたら腸閉塞や腸運動の低下等の運動障害が考えられます。

【5】勢いよく吐く
吹き出すように勢いよく吐く時は、胃の異常などかもしれません。

・白い泡:胃液です。お腹が空きすぎて胃液が逆流していることが多いので、食餌の回数を増やしたり、食餌の時間の間隔を狭める等の見直しをしてみましょう。それでも改善しなければ、一度診てもらってください。

・黄色い液体:胆汁です。こちらもお腹が空きすぎて逆流していることや肝臓や胆のうの異常が伴われる可能性もあります。上記と同じ対処をしてみて続いたり、程度が悪化するようならば受診をするようにしてください。

こんな症状にも要注意!

・食べムラを伴う
・飲水量が増減する
・便が柔らかい、あるいは出ない
・尿が出ない、出ているけれど猫特有の臭いがしない

など、吐く以外の症状が見られたら、内臓(すい臓、肝臓、腎臓)やホルモン分泌に問題があるかもしれません。

獣医師からのアドバイス

時に、紐など長いものやおもちゃを飲み込んでしまうことがあります。異物誤飲は緊急を要すため、遊んだ後はなくなっていないか注意してください。ビニールのガサガサという音や感触も好きな猫が多く、細長く切れたものを飲み込んでしまうこともあります。

猫は普段から嘔吐するからといって、甘く見てはいけません。症状と同時に元気の有無や食欲などの状態を把握して健康管理をしながら、程度の悪化や頻度が増すなど、症状の変化があるようであればすぐにかかりつけの先生に相談しましょう。

吐いた頻度や内容物なども把握し、吐しゃ物が持っていけるようであれば、受診の際に持っていくと診察がスムーズに進む可能性があります。

その他おすすめのコラム

家の中が傷だらけになる前に…猫の爪とぎのしつけ方!

2020年04月01日

あっちこっちでバリバリ…猫の爪とぎは本当に困りますよね。大切な家具や、きれいな壁が台無しですし、騒音も気になるところ。 しかし実は爪とぎには猫たちにとって大切な意味合いがあるのをご存じでしたか? 知っているようで知らない猫の爪とぎについて、そして... 続きを読む

初めて猫を飼う際の猫選びのポイントは? 

2020年04月01日

猫はほぼ野生のまま人と暮らしているといわれています。イエネコ(現在、人に飼われている猫)の祖先はリビアヤマネコと言われ両者の骨格、生態等を比べてみると大差ありません。猫が人と暮らし始めてからまだ5000年くらいとそんなに時間がたっていないのも、野性味が残... 続きを読む

知っておきたい、メス犬特有の「子宮蓄膿症」について

2020年04月01日

メスの犬を飼われている方にとって、避妊のほかにも特有の病気などは気になるところ。中でも、老犬ほど発症リスクが高まるといわれ、さらに命に関わる病気として「子宮蓄膿症」には注意が必要です。今回は、この子宮蓄膿症について獣医師に伺いました。 続きを読む

屋内犬が快適に過ごすせる理想の飼育スペースを作ろう!

2020年04月01日

最近では多くの犬が家の中で飼い主さんと一緒に暮らしています。みなさんいろんな工夫をされていると思いますが、犬ができるだけストレスなく暮らすためにはどんな点に注意すべきなのでしょうか? 今回は、屋内犬の飼育スペースについて獣医師に解説していただきました。 続きを読む