犬のネフローゼ 症候群の症状

更新日 2020年02月28日

犬のネフローゼ 症候群の症状

腎臓は血液中の老廃物をこしとって尿を作る臓器で、通常はタンパク質の1種であるアルブミンなどは排泄されず血液中に保たれます。しかしネフローゼ症候群はなんらかの原因によって腎臓の糸球体という部分が傷むことでこのタンパク質が大量に出てしまうものです。体重減少、四肢や顔に体液が溜まる浮腫、腹腔内に体液がたまりお腹が目立ってくる腹水などの症状がみられるようになります。また、血栓を溶かすのに必要な物質(アンチトロンビンⅢ)も尿中に出てしまうため、血栓ができ詰まりやすくなります。

犬のネフローゼ 症候群の原因

犬のネフローゼ 症候群では腎臓の糸球体の異常により、本来ならば濾過されるタンパク質が尿中に排泄されます。濾過が不充分である事により、低タンパク血症および高タンパク尿となります。血液検査や尿検査で明らかになる事がほとんどですが、自宅で分かる症状としてぐったりしている、食欲不振が続く、下痢や嘔吐が増える等が挙げられます。糸球体の異常がおきる原因としては感染によるもの、炎症によるもの、腫瘍によるもの、遺伝的なものと多岐にわたります。
また、血中のタンパク質濃度が低下する事で体内の浸透圧系に異常が生じるため、全身に浮腫が現れます。犬の場合は立った状態で腹部が不自然に膨張していたり、垂れ下がった状態であれば腹水が貯留している可能性があります。
また、犬のネフローゼ 症候群では血液が固まりやすい状態となっているため、血栓が出来る可能性があります。放置すると血栓が心臓や脳で詰まる可能性があるため、疑われる症状が現れた場合は早期に獣医に相談するか動物病院の受診が推奨されます。また、症状に気付きにくい事もあるため、定期的な尿検査が推奨されます。

犬のネフローゼ 症候群の予防/治療法

原因がはっきりしていれば、そちらに対する治療を行いますが原因が特定できない場合も多い疾患です。どちらの場合も、腎臓を保護する治療をしていきます。身体に過剰な体液がたまる浮腫に対しては利尿剤を使って、水分を排出していきます。食餌療法では、低たんぱく・低ナトリウムに調整された腎臓療法食を中心に給餌します。低たんぱく血症が酷い時に良質の高たんぱく食を与えることもあるので、獣医師とよく相談して与えていくことが大切です。高血圧があれば血管拡張剤などを用いて血圧を下げていきます。

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