増えているペットの肥満。その原因と対策は?

更新日 : 2020年04月01日

出典:PIXTA

欲しそうな目で見られるとついおやつをあげてしまう…ということはよくありますね。でも最近ではペットの肥満の増加が深刻な問題になっています。なんと、動物病院を受診している動物の半数近くが肥満だというデータがあります。

今回はペットの肥満について、獣医師に意見を伺います。

どのくらいの体型が肥満なの?

BCS(Body Condition Score)という基準を元に、上と横から見た動物の体型から判断します。犬と猫では若干異なりますが大体の理想体型は、腰のくびれが適度にあることと、皮下脂肪がついていながら、肋骨と背骨には触れられる程度であることです。肥満とは、くびれが無く、肋骨や背骨に触れることができない状態をいいます。

どうして肥満になるの?

1. 食事
摂取カロリーと消費カロリーのバランスが悪いと肥満につながります。同じ兄弟でも、活発に動く子とのんびり屋さんでは消費カロリーが違います。体重がどんどん増えてしまう、または体重が減らない場合は、食事やおやつの量を減らす必要があります。

2. 病気が原因
外傷や骨折などで運動制限している場合は、動けずに消費カロリーが減ることも原因になります。また、クッシング、甲状腺機能低下症、インスリノーマなどの疾患があると、肥満体型になることがあります。食事量が少ないのに太ってきた場合は要注意です。

3. 避妊や去勢手術
避妊、去勢手術をするとホルモンのバランスが変わることで太りやすくなります。また性欲が減少し食事への関心が増えることも原因です。

肥満にを解消するにはどうすればいいの?

1. 食事を減らす
まずは食事を見直しましょう。多い場合はいきなり減らすのではなく、1日量を5〜10%位減らすことから始めましょう。

・食欲の旺盛な子の場合は、空腹時間を短くするために1日量を3〜4回に分けてあげると満足度がアップします。
・おやつは基本的には必要はありません。しつけを含めてあげたい場合は量を減らします(例えば3本あげていたら、1本を3分割してあげるなど)。
・ダイエット用の低カロリー食を使うのもよいでしょう。

2. 運動量を増やす
運動量を増やす場合も少しずつにしましょう。普段より10分長く散歩に行く、遊んであげる時間を増やす、などから始めましょう。

獣医師からのアドバイス

肥満解消のために運動量を増やす場合、毎日継続して運動するのが最もいいでしょう。週末だけしかできないからと一度にまとめて運動させようとすると、筋肉痛になり、体に負担をかけることがあります。適度な運動を心がけてください。

その他おすすめのコラム

ワンちゃんの吠え癖が治らないのには理由があった!

2020年04月01日

犬が、いつどのような時に吠えているか知っていますか?吠えるたびにただやみくもに「ダメ!」と怒っても実はあまり効果がありません。 今回は犬が吠える原因と対策について、獣医師に詳しく解説して頂きました。 続きを読む

猫の【てんかん】、知っておきたいその症状や治療法とは?

2020年04月01日

「てんかん」とは、様々な原因により発作を繰り返すことが特徴の脳疾患です。 犬に比べると原因不明の“特発性てんかん”にかかることは少なく、脳腫瘍などの病気の続発としての“症候性てんかん”が主流です。どちらにしても、発作が30分以上長引く場合には、命を落と... 続きを読む

はちみつが効く?愛猫の口内炎の原因と対策

2020年04月01日

口内炎ができるのは人間ばかりではありません。猫ちゃんが口内炎になってしまった場合、どのような対策が効果的なのでしょうか? そこで今回は、猫の口内炎の原因と対策について、獣医師に解説していただきました。 続きを読む

ペットを守る夏の虫対策!代表的な虫被害や駆除剤の選び方

2020年07月09日

気温や湿度が上がり、本格的に夏が到来しようとしています。日々のお散歩に加え、わんちゃんとキャンプやBBQといったアウトドアを楽しむ予定の方もいらっしゃるかもしれません。   今回は特に気をつけたい虫被害について獣医師がご説明させていただきます。  ... 続きを読む