猫の溶血性貧血の症状

カテゴリー:猫の溶血性貧血
更新日 2020年02月28日

猫の溶血性貧血の症状

猫の溶血性貧血は、血液中の赤血球が破壊されて起こる病気です。赤血球は全身に酸素を送る役割をしている為、この病気を発症すると酸素を運ぶ機能が低下してしまい、全身が酸素不足となってしまいます。酸素不足が起こる為、元気が無くぐったりとしているといった症状が起こります。もちろん、いつもよりも食べないといった食欲不振、いつもならすぐに遊びたがるのに、運動をしなくなる点も特徴です。
全身が酸素不足に陥ってしまう事から、酸素を多く取り込もうとして、呼吸が早くなる、呼吸困難といった症状も起こりやすいようです。貧血が起こっているので、口腔内の粘膜は青白くなります。白目部分や口腔粘膜が黄色っぽくなる、黄疸の症状も現れるケースがあるようです。
この他に尿の色がいつもよりも、濃くなる傾向にあります。色は赤茶色に変化する場合が多いと言われています。何だか元気が無い、好きなご飯も食べないという場合、この病気が疑われるので、早めに受診しましょう。

猫の溶血性貧血の原因

猫の溶血性貧血の原因は大きく先天性と後天性のものに分類されますが、先天性はまれで多くは後天性です。
後天性のものとして、免疫細胞が異物ではなく自分の赤血球を攻撃することによって起こる免疫介在性、外傷による赤血球の物理的破壊、寄生虫などの病原体や有害な化学物質などが体内に入り赤血球を破壊しすぎることが挙げられます。タマネギなどネギ類に含まれる酸化物質により赤血球が破壊され、溶血が起こることもあります。
先天性のものとしては、赤血球の中にある酵素が足りず溶血する遺伝病、これは生まれた子猫の赤血球を、母猫の抗体が攻撃してしまって起こる新生子溶血が挙げられます。

猫の溶血性貧血の予防/治療法

免疫介在性溶血性貧血の場合、基本的には免疫を抑制して赤血球の破壊を抑えるための治療が行われます。高用量のステロイド剤を投与し、貧血が改善した後に徐々に量を減らしていきます。貧血が改善されるまでの間は、輸血等の治療もおこないながら血栓塞栓症、不整脈、二次感染による感染症などの症状が起きないかどうか注意深くモニターしながら治療が行われます。数日たっても改善の兆しが見られない場合には、ヒト免疫グロブリンの点滴が検討される場合もあります。
他にも原因物質を除去したり、外科手術により赤血球の破壊が主に行われる場所である脾臓を摘出することもあります。
溶血性貧血の原因は不明瞭な場合が多々あり、予防は困難である場合も多いです。しかし、赤血球酸化障害物質を含むタマネギ等の植物や、アセトアミノフェン等を含む市販の風邪薬や痛みどめを口にすることで起きるものは、猫の口に入れないように気を付けることで予防することが出来ます。

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